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「失敗の中にヒントある」

山中教授講演、マイiPS構想も
 京都大学iPS細胞研究所長の山中伸弥教授が7日、長浜文芸会館で講演し、市内の中学、高校生ら約450人にiPS細胞の特徴を分かりやすく紹介した。
 山中教授は人の皮膚の細胞に4つの遺伝子を組み合わせることで、ほぼ無限に増やせ様々な細胞に変化する人工多能性幹細胞「iPS細胞」を開発。2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞した。
 講演は長浜市と京大医学研究科が連携して実施する市民の健康追跡調査「0次予防コホート事業」を支援するNPO法人「健康づくり0次クラブ」が主催し、地域の中学、高校生らを招いた。
 山中教授は講演でiPS細胞の持つ機能と再生医療への応用を解説し、網膜再生・治療などの実例を紹介。将来はパーキンソン病やがん、糖尿病などにも応用できるとした。
 人の皮膚から細胞を採取し、iPS細胞を培養して移植するまでには品質検査などに莫大な時間とコストが必要なことから、拒絶反応が起きにくい細胞を持つ「スーパードナー」から作り出したiPS細胞をあらかじめストックする取り組みが進んでいるとした。そのうえで、2025年を目標にそれぞれの患者に合致するiPS細胞をストックする「マイiPS細胞」構想を掲げ、「100万円程度で提供できるようにしたい」と語った。
 また、「日本は長寿国だが、健康寿命は短い。健康寿命を延ばすために、私たちのような研究が非常に大切」としたうえで、「研究者だけでは限界がある。皆さんがしていただいている0次コホートが大切」と話しかけていた。
 出席者からの質問にも答え、「研究がうまくいかないことがある。解決しないときは、どういう視点で解決策を見つけるのか」との高校生の質問には「実験というものは、うまくいかない。10回やって1回うまくいったら良い方」と前置きし、「失敗を恐れない。失敗して当然。失敗の中に自分の気付いていなかったヒントがある。失敗をチャンスととらえて欲しい」と呼びかけていた。


2019年06月10日 15:58 |


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