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平和ほど尊いものはない

米原で、日本非核宣言自治体の研修会
 日本非核宣言自治体協議会(会長=田上富久長崎市長)の研修会が21日、米原市内のホテルで開かれ、長崎県の被爆体験者の語り部が、核廃絶や世界平和などを訴えた。
 関係者、市民108人が参加し、「長崎市家族・交流証言者」の田平由布子さんが昨年10月急逝した被爆者、吉田勲さんの被爆体験を語った。
 祖母と2人暮らしだった吉田さんは当時、4歳で爆心地からわずか4㌔の場所に住んでいた。1945年8月9日、洗濯をしていた祖母が上空を飛ぶB29を見つけ「家ん中入らんね」と叫んだ。
 自宅に入った瞬間、原子爆弾が炸裂。あたりはオレンジ色に染まり、窓ガラスが割れ、煙に覆われた。必死に防空壕に逃げる際、飛んできたトタン板で口が切り裂け、「痛いよ、痛いよ~」と泣き叫びながら、一夜を過ごした。この古傷は放射線の後遺症で完治せず、同級生から「かさぶた野郎」といじめられた。
 吉田さんは悪夢といえる被爆体験を48年間、封印し、無関心を装っていたが、「自分も何かしなくては」という衝動にかられ、核実験に抗議する座り込み運動に参加したり、被爆者相談員や修学旅行生のガイドを務めた。国連本部では「核が1日も早く、世界から無くなってほしい。長崎を最後の被爆地にして。自分たちと同じような辛い思いをしてほしくない」などと直訴した。
 田平さんは原爆で7万3884人が亡くなり、7万4909人が負傷。また、世界には1万4450発の核弾頭があることを訴えながら、「昨年3月末、長崎市の被爆者が3万人を割り、直接、体験が聞けなくなる日が近づいている。核問題解決するために1人1人が学びを深め、率直に対話することが必要。戦争ほど残酷で悲惨なものはない。平和ほど尊いものはない」と語った。


同じ過ち、二度と、田上長崎市長
 同協議会は1984年、核兵器廃絶を求める自治体宣言や議決をしている国内の自治体(非核宣言自治体)で発足。2014年に加入した米原市をはじめ、現在、341自治体が加盟している。
 田上会長は長崎に原爆が投下され73年が経過し「今は被爆者の終わりの時代が近づき、被爆者がいない時代の始まりといえる」と憂い、研修会を「同じ過ちを二度と起こらないようにし、平和に強い思いを持てるよう、前に一歩出る機会」と位置づけた。米原市の平尾道雄市長も「各自治体でさらなる平和を願いながら、核なき世界への意識をここで蓄えて欲しい」と語った。


2019年01月23日 16:38 |


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