滋賀夕刊新聞社は滋賀県長浜を中心に政治、経済、文化の情報をお届けする新聞です。



井上靖「星と祭」 復刊プロジェクト開始

観音ブームの火付け、半世紀ぶりに
 湖北の観音様が一躍脚光を浴びるきっかけとなった小説家・井上靖(1907~1991年)の傑作「星と祭」の復刊を目指そうと市民有志がプロジェクトを開始。第一弾として12月8日、記念講演会を開く。
 「星と祭」は71年5月から約1年間、朝日新聞に連載されたもの。琵琶湖で娘を亡くした男性が湖国の十一面観音を巡り、供養するうち「凜として列星の如し」などと、次第に心の平安を得る物語。
 その後、角川文庫から出版されたことで、湖北の観音が全国的に注目されるようになり、物語に登場した渡岸寺や石道寺などには観光客が訪れ「観音めぐりブーム」の火付け役となった。
 しかし、現在は絶版状態で、市場には古本しか出回っておらず、江北図書館の館長で古書店「六夢堂」を営む明定義人さんや古書店「あいたくて書房」店主・久保寺容子さんら市民有志10人が今年6月、実行委員会を発足。復刊を目指すことになった。
 プロジェクトでは300冊発刊を目標に、予約するとオリジナル装丁のプレミアム初版本がもらえる「勧進」(1口5000円)を募集。また、来年3月からは小説に登場する観音様巡りも企画しており、最終的には来秋、2000冊の出版を目指し、地元書店などで販売する計画。
 復刊にあたり、著作権を持つ井上さんの長男・修一さん(78)からは、親交のある明定さんの交渉により、快諾を得ることができた。また、ホームページの作成や出版に際しても、「その道に長けた仲間がいたので、夢が現実味を帯びてきた」(メンバー)という。
 プロジェクトは地域のまちおこしも兼ねており、久保寺さんは「村人に守られていた観音様の特徴がつぶさにわかる小説。(復刊することで)故郷を見直してもらい、地元の人に喜んでもらえれば」と話している。


記念講演会
 記念講演会は12月8日午後1時半から、高月図書館2階「井上靖記念室」で。
 明定さんが「星と祭」を題材に、信仰と看取りについて考察。観音ガールの對馬佳菜子さん(長浜市地域おこし協力隊)が「星と祭から知る観音信仰」をテーマに話す。無料。


2018年11月29日 17:27 |


過去のニュース


しが彦根新聞
滋賀夕刊電子版
滋賀夕刊宅配版
滋賀夕刊デジタルトライアル
“新聞広告の資料請求、ご案内はこちらから"
 
長浜市
長浜市議会