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地福寺町の能舞台、利用して

建立者の孫が呼びかけ 11月邦楽演奏会
 地福寺町の観世流能楽師・中川清氏(故人)が88年前に自宅に併設した能舞台を演奏会などに活用してもらおうと、孫の野上寛子さん(57)が利用を呼びかけている。
 能舞台は中川氏が東京で能楽を学び、長浜に戻った際、1930年に自宅に併設した。広さは60畳程で一段高く作られた舞台と、観覧場所である見所からなる。舞台の正面奥にある「鏡板」には国友町の絵師・国友敬三氏が描いた松の絵、舞台の床下に造られた空洞には音響効果を増すために甕を据え置くなど、本格的な構造となっている。
 野上さんの父、中川雅章氏(故人)も清氏に師事して観世流能楽師、重要無形文化財保持者として、清氏と共に能楽の指導、普及にあたった。野上さんによると1970年代、80年代には長浜だけでなく、名古屋、大垣、岐阜、高山でも指導し、長浜市民会館では1000人規模の発表会を開催していた。地福寺町の能舞台も稽古や発表会のたびに社中が各地から集まり、賑やかだったという。
 雅章氏が2年前に亡くなってからは、能舞台はほとんど使われることがなかった。野上さんの妹・中川典子さんの友人で、岐阜県海津市出身の筝・三絃奏者の佐竹香寿美さん(菊佐衣会主宰)が能舞台を見学に訪れた際に「こういうところで演奏できたら」と呟いたことから、「放っておいてはもったいない」と日ごろから思っていた野上さんが舞台の使用を提案。11月25日に邦楽や能楽の公演を行うことになった。
 能舞台の存在は社中以外に知る人は少なく、地域住民も地福寺町にあることを知らないという。野上さんは今度の公演を機に多くの人に利用してもらいたい考えで、音楽発表会や展示場、写真撮影などを想定。「バイオリンなどの弦楽コンサートなどにも利用してもらえれば。まずは見学してもらいたい」と話している。
 なお、11月25日の公演は佐竹さんや典子さんら5人が出演し、筝や三絃、尺八、謡、仕舞などを披露する。午後1時半からの部が満席となったため、急きょ同3時半からの部を設定した。入場無料。事前予約必要。
 能舞台は長浜北星高校南側、住吉神社の西隣の住宅街の中。


2018年10月25日 17:00 |


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