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近江真綿復活プロジェクト

米原市岩脇の山脇源平商店、養蚕から製品化まで一貫し、極上を
 とびっきり極上の近江真綿を作ろうと、米原市岩脇の山脇源平商店(山脇和博社長)は養蚕から製品化まで一貫生産にこだわった「完全復活プロジェクト」に着手。伝統産業の継承に向け、動き出した。
 約270年前、彦根藩井伊家に「飛切御免」(とびっきり)というお墨付きをもらい、「近江真綿」というブランドが誕生した。最盛期(1916年ごろ)には旧坂田郡(長浜市南部から彦根市鳥居本)に3145軒の生産者がおり、年3万8000貫(約142・5㌧)の真綿を出荷。全国シェアの25%を占めていた。
 戦後、化学繊維の普及や中国製品に押され、真綿業は衰退。現在、真綿の製造業者は福島県と米原市に各3軒あるだけ。
 近江真綿は湯の中で繭玉を広げてハンカチの大きさまで一旦延ばし、乾燥させた真綿をさらに引き延ばして重ね、布団サイズに仕上げる。手作業の繰り返しで布団1枚を作るには繭約3000個が必要とされる。
 近江真綿には中国産真綿を地元で加工したものと国産繭を使っているものがあるが、国産繭の原産は埼玉か群馬。繭の生産量も年々、減少しており同店では昔のように「純地元産」にこだわろうと養蚕に取り組むことに。
 計画では地域の耕作放棄地、有休農地約20㌃にカイコのエサとなる桑の木計2000本を植え、鉄骨2階延べ約280平方㍍の飼育場を建設。カイコを育て、自前で原材料を調達できるようにする。
 桑の木栽培は昨年2月から開始しており、飼育場は今月末に完成する予定。飼育環境が整い次第、7500匹のカイコを育てる計画で、軌道に乗るまでには3年ぐらいかかるという。
 山脇社長は「消滅の危機に瀕している業界。復活プロジェクトが近江真綿を見直すきっかけとなれば」と話している。
◇   ◇
 山脇源平商店はインターネットによる資金調達「クラウドファンディング」で木材チッパー導入を計画している。
 カイコが食した後、大量に排出される桑の枝をチッパーで粉砕。たい肥化して土に還す。目標額は35万円。期間は10月28日まで。協力者には返礼品として洗顔用真綿、ひざ掛けなどを贈る。問い合わせは同店☎(52)0076へ。


2018年09月13日 16:53 |


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