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「菅山寺の森友の会」発足

大ケヤキ損傷を機に、保存再生へ
 昨年9月、強風で樹齢1000年の大ケヤキが倒れたことがきっかけとなり、余呉町坂口の古刹、菅山寺の自然を守ろうとする動きが地元で高まっている。有志たちはこのほど「菅山寺の森友の会」を発足。倒木したケヤキの保存再生を始めた。
 同寺は大箕山の中にあり、奈良時代に創建され、平安時代、菅原道真が中興したとされる古刹。昨年の台風や暴風で、県指定自然記念物のケヤキの巨木2本のうち1本(高さ、幹回り約10㍍)が倒木。手入れが十分でなく、虫や腐食などが要因とみられる。
 ひっそりとしたたたずまいにある山門の両側にそびえ立っていた大ケヤキはオダギリジョー主演の映画「蟲師」(2007年)や実写版「忍たま乱太郎」(11年)にも登場。
 また、栄枯盛衰の道をたどった菅山寺周辺にはかつて3院49坊の寺院があったとされ、神秘的な菅山寺をひと目見ようと最近、県内外から訪れる人が増えていた。


表情豊かな森を継承、保存会と連携、整備
 ながはま森林マッチングセンターの森林環境保全員・橋本勘さんによると、このあたりは琵琶湖からの暖かい風と日本海からの冷たい風が吹くため、寒い気候を好むブナと温かい気候を好むアカガシが同居する特異な帯域。標高400㍍の低山にブナが群生しているのも珍しいという。
 全国で森の案内人をしている三浦豊さんをはじめ、地元の前田壮一郎さん(ウッディパル余呉)ら10人は昨年10月から、菅山寺の自然や歴史遺産を再認識するため、月1回「歩こう会」を開催。今月18日からは倒れたケヤキの保存、再生に向けた活動を始めた。
 今回は道を封鎖している倒木の枝切りなどをしたほか、幹の状態を調査し、利活用法などを検討した。調査によると幹はしっかりしており、今後は地元、余呉町坂口の住民でつくる「菅山寺保存会」とともに、ケヤキを挿し木で増やすなど再生策を練る。また倒れた木を工芸品に活用したり、植物標本として博物館への寄託も考えている。
 前田さんは「寺院としての機能が失われつつあり、住民も住んでいないが、素晴らしい森が生き続けている。表情豊かな森を後世に伝えられれば」と話している。
 友の会では遺された寺院跡や石像などの情報整理などを進め、保存会では7月15日、土砂のたまった朱雀池の水抜きをし、生き物調査や清掃活動をする計画。


2018年05月23日 15:57 |


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