滋賀夕刊新聞社は滋賀県長浜を中心に政治、経済、文化の情報をお届けする新聞です。



ホトケ様を「佛」で表現

右半身不随の兼房さん、不屈の書
 半身不随の不遇にも負けず、ホトケ様の姿を「佛」の文字で表している湖北町大安寺の書家・兼房実さん(79)=雅号・幽石=の書展が湖北公民館で開かれている。
 兼房さんは11年前、脳梗塞で右半身が動かなくなり、病院や介護施設で治療やリハビリを続けた。闘病生活の末、何とか歩けるようになった3年後、憧れていた版画家・棟方志功の記念館(青森)を訪れ、ビデオで志功の製作場面を見て「自分も描けるのでは」と、筆をとるようになった。
 現役時代は教師として米原、長浜高校などで30年余り、書道を教えていた。しかし、今は不自由な体となり、利き手の右手がまったく動かないだけでなく、机に向かうことやじっと座っていることもままならない。
 そんな時、版画に顔を擦り付けながら木を彫る志功の姿を思い出し、「自分には左手がある。何とかなるはず」と思いが沸き、試行錯誤の中で床に「ベタ座り」して、紙に寄り添うように描く独特のスタイルを編み出した。
 兼房さんは元気だったころ、観音様巡りが趣味だった。また、志功の版画の原点には仏の世界があり、いずれもの極楽浄土へと続いているように感じ、作品は観音様をモチーフにした。
 描いたのは特に印象の深かった高月の十一面観音や大津、三井寺の不動明王など。自分のイメージした容姿を筆で繊細かつ力強く「佛」の一文字で表現している。
 兼房さんは「自分のような障害をもった者でもここまで描ける。頑張ればやれる、ということを知ってもらえれば」と話している。掛け軸24幅を展示。午前8時半から午後6時、25日まで。水曜、祝日は休館。無料。


2016年12月02日 16:52 |


過去のニュース


しが彦根新聞
滋賀夕刊電子版
滋賀夕刊宅配版
滋賀夕刊デジタルトライアル
“新聞広告の資料請求、ご案内はこちらから"
 
長浜市
長浜市議会