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満蒙開拓団の資料を寄贈

米原の遠藤さん、長野の記念館に
 米原市宇賀野の遠藤重治さん(65)はこのほど、長野県阿智村の「満蒙開拓平和記念館」に、父・末治郎さんが遺した「黒石屯開拓団」の資料を寄贈した。橋渡ししたのはNHKで、女優・藤原紀香さんのドキュメンタリー番組が縁となった。
 黒石屯開拓団は1938年〜39年、近畿地方から当時の満州、吉林省敦化県黒石屯に入植した計147戸。末治郎さんは宇賀野の住民4人と38年に移り住んだ。
 満州開拓移民は約27万人とされ、ソ連の参戦で、ほとんどが国境地帯に取り残され、 日本に帰国できたのは11万人余。末治郎さんは、命からがら引き揚げてきたものの、同僚が殺害されたり、虐待を受けるなど嫌な思い出ばかりなため、帰国後は家族に満州での苦労話は一切せず。2001年、89歳で他界した。
 没後、家族が隠居で遺品を整理していると、末治郎さんの手紙や手記などが多数見つかり、処分しようとしたところ、近江公民館から「歴史的な価値があるかも」と言われ、これらの書類を同館に預けた。

NHKが橋渡し、紀香さんの番組が縁
 NHKは紀香さんのルーツをたどる番組「ファミリーヒストリー」を、昨年10月11日の放映に向け制作していた。これまでの調べで和歌山県出身の紀香さんの祖父が黒石屯開拓団にいたことが判明。ディレクターの佐々木麗さんは当時の暮らしぶりを取材するため、帰国者や遺族でつくる「黒石会」の会長だった末治郎さん方を訪ねた。
 佐々木さんは遺品を番組の資料として活用したいと申し出、遠藤さんも「専門的な公的機関で保存活用してもらいたい」と佐々木さんに寄託した。
 番組終了後、佐々木さんは取材を通して知り合った記念館に遺品の提供を打診。同館では貴重な歴史資料になる、として末治郎さんが入植地から兄に送った手紙や屯の建設計画、手記や写真、名簿など約25点を譲り受けた。
 手紙には「護身用に日本刀をもらったが、ここでは満人(中国人)への威厳を保つ装身具に過ぎず、血塗らせばたちまち罪になってしまう」などと書かれている。


2014年01月23日 16:49 |


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