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2百年ぶりに解体・修理

宮司町の曳山「颯々館」、役者経験者も見守る
 長浜市の指定有形文化財、宮司東町自治会の曳山「颯々館」が1802年の建造以来、初めて修理されることになり、3日、日枝神社御旅所で解体作業が行われた。
 長浜曳山まつりの曳山などを手がけた藤岡和泉によって建造され、江戸時代には日枝神社の「宮川祭り」に合わせて、曳山の舞台で子ども歌舞伎が奉納された。昭和27年を最後に子ども歌舞伎は姿を消し、近年は蔵から出して公開するのみとなっている。若衆も数年前に解散している。
 修理は屋根や天井などの曳山本体部分と、胴幕などの装飾品。事業費約750万円は文化庁が全額を補助する。来年3月末、完了予定。
 この日は町民の見守る中、クレーン車で屋根が取り外され、天井などが部材ごとに解体された。部材は曳山博物館ドックで修理する。解体作業に立ち会った塗師の渡邊嘉久さんは「200年が経過したわりには、漆もきれいに残っている。長浜曳山まつりのように頻繁に曳くこともなく、雨にも打たれなかったからだろう」と話していた。
 解体作業を見守る町民の中には、最後の子ども歌舞伎を演じた昭和27年の役者の顔も見られた。
 堀英利さん(71)と高山昇榮さん(69)。日枝神社や総持寺など町内5カ所で「鎌倉三代記三浦之助母別れの段」を演じた。2人は「長浜曳山まつりのように、夕渡り、朝渡り、三番叟があった。役者は小学校を早退して、連日、稽古に励み、長浜曳山まつりの稽古場にも見学に訪れた。町内は帰郷した親戚も合わせ大賑わいだった」と当時を振り返っている。
 高山さんは「今年の神事の当番だったが、傷みが酷くなっており、修理されることを嬉しく思う」と語り、堀さんは「郷土の伝統文化を守るのは大変なこと。今回の解体修理を通して町民に関心を持ってもらえれば」と話していた。


2013年08月03日 18:52 |


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