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ササユリ、花開くまで7年

山門水源の森、人々の手で守られ
 初夏、野山に自生するササユリは全国的に「雑草」や「食害」などで絶滅の危機に瀕している。西浅井町の山門水源の森ではボランティアの献身的な努力で群生が守られている。
 ササユリは本州中部から九州にかけ分布する多年草で、山地の草原や明るい森林に生え、6月から7月にかけ、白やピンクの花を咲かせる。花から地面に落ちた種が再び、花を咲かせるまでには7年の歳月を要する。その間、十分な日照が必要で、昆虫やシカ、イノシシにつぼみを食べられる場合もある。
 山門水源の森は山門、中、庄3集落に広がる約63・5㌶の里山。かつては森林組合の手により炭焼きが盛んだったが、ゴルフ場の計画、とん挫などで96年、県が公有地化した。
 森は約50年間、放置されたままだったので、雑草や笹などで荒れていた。また、稀少な植物が盗掘され2000年当時、ササユリはわずか17株しか残っていなかった。


次の世代に引き継ぐ
 森の自然を守ろうと、藤本秀弘さん(大津)らが99年、「山門水源の森を次の世代に引き継ぐ会」を発足。会ではササユリの本来の生育環境を取り戻そうと、日照を遮る雑草の除去を続けた。
 花の数が増えたと思った矢先、今度は周辺でシカが増殖し始め、つぼみを食べるように。会員らは花の周りに金網を被せ、食害に遭わないようにしている。
 また、数を増やすため、種まきも実施。花の色に合わせた種を厳選しなくてはならず、手間がかかるため、昨年は西浅井中の生徒やボランティアの力を借り、約1万5000粒の種を蒔くことができた。
 いずれも地味で、根気が入り、手間がかかる作業だが、成果が実り、今シーズンは200〜300株が咲く見通しで6月中旬がピークとなりそう。
 藤本さんは「地域の人に、地域の自然を守ってもらうのが理想の姿。そのためにも山門の素晴らしさを知ってもらえれば」と話している。
◇   ◇
 山門水源の森で、ササユリを観察するツアーが6月9日、行われる。
 午前中は西浅井公民館で講演会。和歌山でササユリの自生地調査を行った宮本芳城さん(和歌山県農業大学教授)が「ササユリの再生に向けて」を。藤本さんが「森の現況と保全活動」をテーマに話す。昼食後、バスで現地へ移動し見学会。湿原(約2㌔)、四季の森(4・5㌔)、森の保全活動(4㌔)の3コースがあり、自由に選べる。無料。希望者にはビワマス弁当(1200円)を販売。問い合わせはJR永原駅内西浅井総合サービス℡(89)0281へ。


2013年05月24日 17:34 |


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