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「今浜焼」試行錯誤30年

川崎さんが制作、艶のある黒を表現
 「地元の素材で焼き物を作れ、それが『今浜焼』だ」—。30年前にかけられた言葉を胸に、地元素材の焼き物を研究し続けている泉町の陶芸家・川崎佐玄さん(85)が湖北地域で採取した岩石から釉薬を作り出し、「今浜焼」を制作した。
 川崎さんは農業の傍ら、20代から趣味で陶芸を始め、近畿、北陸一円の作家のもとに通って技法を学んだ。長浜市展に何度も入賞し、現在は「無鑑査」。市展委員や陶芸教室の講師を務めている。
 川崎さんによると、長浜では明治、大正時代に一時、今浜焼が作られたが、土、釉薬ともに地元産ではなかった。30年程前、読売新聞の記者として長浜に赴任していた西田文人さん(故人)から、地元の土と釉薬を使った今浜焼を提案され、以来、土や、釉薬に用いる岩石の採取、試作を繰り返してきた。
 長年の試行錯誤の結果、「農作物が良く育つ土地の土は焼き物には向かない」と、湖北地域の土をあきらめ、耐火度の高い信楽産を使用。釉薬は米原市長岡や長浜市の横山で採取した泥岩を砕いて使った。鉄分を豊富に含み、窯で焼くと酸化作用で艶のある黒色に変化する。
 制作した茶壷や花瓶などは、メタリックな光沢感と黒色の風合いが特徴で、川崎さんは「まだ完成とはいえない。石の砕き方、窯の温度調整で、『やんわり』とした色と艶にしたい」と話している。

ギャラリー縄で初公開 神山さんの作品も
 川崎佐玄さんの制作した今浜焼は6日から10日まで、元浜町のギャラリー縄で展示される。花瓶や茶壷など約20点を並べる。
 また、甲賀市の信楽焼陶芸家・神山清子さんの作品約20点も展示する。神山さんは陶芸に情熱を燃やす一方、長男の白血病発症を機にドナー探しに奔走し、骨髄バンクの礎を築いたことで知られ、その生涯は映画「火火」にもなった。
 午前10時から午後5時まで。入場無料。


2012年04月05日 15:50 |


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