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海外の架橋にも貢献

下坂中の梅本さん、30橋手がける
 下坂中町の梅本尚孝さん(71)は瀬戸大橋をはじめ、国内外の橋作りに携わった設計者。その卓越したセンスが見事な景観を醸し出している。
 梅本さんは中学の頃から錦帯橋や琵琶湖大橋など建造物が好きで、長浜北高校時代の恩師から「どうせ、やるならでっかい物を建ててみろ」と言われ、早稲田大の土木工学科に進学。社会インフラを手がける石川島播磨工業に就職する。
 入社後、東京大学の受託研究員として橋について勉強し、ニュージーランドのオークランドハーバーブリッジ(長さ1020㍍、高さ43㍍)の建設現場に1年間立ち会い、問題点を解決した。
 しまなみ海道の一部で東洋一のアーチ橋「大三島橋」の完成後に、東京のコンサルタント会社に移籍。コンゴ(アフリカ)の吊り橋マタディ橋や本州四国連絡橋のひとつ、岡山―児島坂出ルート橋などを設計。現役を引退するまでに国内外の30橋を手がけた。

橋の思い出と長浜
 大阪の飛翔橋は、高速道が交錯する狭いスペースの中で生まれた。きれいな2段アーチが評価され、設計者向け教科書の表紙を飾った。柴田勝家が造った半石半木の九十九橋(福井)は、橋の途中に2カ所の東屋を配し、歴史を重んじたデザインに変え賞賛を浴びた。
 橋を設計する際、注意を払うのは「住民に疎外感を与えず、地域に受け入れられること」。▽見た目がきれい▽親しみやすいデザイン▽通行者に恐怖感を与えない安定感▽コストパフォーマンス▽メンテナンスが楽なことなどを心がけた。
 65歳で社長を引退し、故郷の長浜に戻った。学生では「点数」、仕事では「荷重計算」、経営者としては「利益」という数字ばかり追いかけてきた梅本さん。「今までとは違う、何かが生まれ故郷にあるのでは」と人生の出発点に戻り、妻とともに大好きな野鳥観察と俳句に浸っている。
 仕事をやっていて良かったことは「地図上に自分が設計した橋の名が残ること」と目を細める梅本さん。今でも友人の会社(東京)で月1回、後進の指導に当たっている。


2011年12月13日 09:19 |


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