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「原発事故、最後の事例に」

被曝の双葉町長、支援求める
 福島第一原発事故で、埼玉県加須市に役場機能ごと避難している福島県双葉町の井戸川克隆町長の講演が11日、「双葉町を支援する会」設立総会であり、悲惨な現況を切実に訴えながら、原発事故を「日本最後の事例にしてほしい」と語った。以下、井戸川町長の訴えを紹介—。

3月11日以降、自分の家に戻ることができない。避難している人は双葉郡だけで2万人近くいる。全国の皆さんから支援をいただいており、その半分は民間の支え。今回の震災で温かい国民がたくさんいることが実感できた。
 双葉町は津波、台風など災害のない地域。電力会社や国から「絶対安全」と言われ、原子力に頼っていた。
 11日午後8時過ぎ、半径3㌔以内の避難勧告が発令。余震が続く中、家財道具を持ち出すことさえできなかった。次の日の朝、今度は半径10㌔未満の避難勧告が出て、着の身着のまま、逃げた。「とりあえず、何でも良いから避難を」。人口6800人の町民を完璧に避難させるのは難しい。午後3時過ぎ、鈍い爆発音が遠くで聞こえ、空からゴミやホコリが降り注ぎ、自分はその中にいた。
 避難誘導をやめることもできず、全員避難したのを確認して移動。今後、後遺症など、何か体の中に異変が起きるのでは…。

今も降り注ぐ放射能
 当地(長浜)は近くに敦賀、美浜など多くの原子力発電所がある。地元は「誘致して良かった」と思っていただろうが、やっぱり「絶対(安全)はない」と思った。原発は全国に50以上あるが、みんな感じていると思う。
 福島原発から近い所は交付金など恩恵を受けているが、恩恵を受けていない飯舘村は被害が甚大で、濃い放射能を浴びている。目に見えず、浴びた人でないとわからない苦しみがある。
 現在も福島県内には(放射能)は降り注いでいる。長浜の皆さんには経験してほしくない。
 今回の事故は日本初の事例で、日本最後の事例にしてほしい。今まで原発の恩恵を受けてきたが、失ったものはその何倍もある。
 絶望感の中、苦痛でいっぱいだが、熱い思いを結集し「支援の会」を設立してくださったことを、帰って全町民に伝えたい。
 無理のない中で、思いを共有してもらうことが支援につながる。


2011年10月12日 17:07 |


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