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逃げていない、調書は違う

長浜の自転車ひき逃げ公判、越年
 長浜市で昨年12月、自転車の女性をひき逃げし、死亡させた事故で、業務上過失致死と道交法違反の罪に問われた同市一の宮町の無職・清水ミツヱ被告(75)の公判が21日、大津地裁長浜支部(徳地淳裁判長)であった。被告は接触の事実を認めたものの「被害者をほったらかして逃げていない。ケガもなく、会話もできた」と容疑の一部を否認し「調書の内容が事実でない」と訴えた。
 清水被告は弁護士の質問に対し「車のスピードは5㌔で、(衝突の際)大きな音はしていない。降車してエンジンを切り、自転車を起こしていた女性に『大丈夫ですか。近くに病院があるから、行きましょうか』などと声を掛けると『大丈夫、大丈夫。どーもないから早よ、行っておくれやす』と言われた。出血やケガの様子などはなく、その後2人で自転車を道の南側に移動させた」と供述。
 また、調書に放置、逃走したと記されていることに対し、「刑事さんが時折、大きな声で話し『車から降りたというのは逃げたのと同じ』と言われた。十分に説明のないまま、調書に押印、サインさせられた」と述べた。
 ところが15分間の休憩後、被告の態度が一転。検察の質問に対し「思い出せない」「忘れた」の連発。検事が事故の詳細などを確認しても「人は殺していない。私が当たったのは違う人」などと弁解。裁判官が「物忘れはひどいのですか」と問うと「何しゃべったか、わからん時がある。なんでこんなに痴呆になったんか」と嘆く一幕もあった。
 次回公判は調書や被告証言の信用性を争うことになり、裁判は年越しとなった。
 被害者家族から厳罰を望む声が寄せられ、傍聴席からは長引く裁判に無念のすすり泣く声が響いていた。
事件の概要
 起訴状や調書によると被告は昨年12月4日午後1時25分ごろ、同市南高田町の市道交差点で車を運転中、自転車で道路を横断していた同市弥高町の無職・平林与志子さん(当時78)をはねて、そのまま逃走。平林さんは病院に運ばれたが、18時間後に死亡した。
 車は平林さんをはね上げた後、ボンネットに乗せたまま、しばらく走り道路上に落とした。また、すぐ近くのグラウンドにいた中学生が救助にかけつけたのは衝突音の直後。車は走り去るところで、運転手が降車し、助手席側に倒れていた平林さんの安否を確認する時間も無かったという。
 倒れていた平林さんは痛がって顔をしかめ、口から出血しており、中学生が「大丈夫ですか」と声をかけても、いびきをかいていたとという。
 長浜署は中学生らの目撃情報から56日後、被告の車庫から犯行車両を見つけ、逮捕した。


2007年12月25日 14:10 |


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