僅差で二矢氏が初当選
余呉町長選「流れが変わった」
任期満了に伴う余呉町長選は21日、投開票され、無所属、新人の農業・二矢秀雄氏(58)=新堂=が、前町議の久保田順一氏(60)=坂口・自民推薦=を79票差で破り初当選した。当日有権者数は3231人。投票率は82・05%で前回を3・56ポイント下回った。
役場近くの選挙事務所に午後9時過ぎ、吉報が入ると詰めかけた支持者から「やったー」「当選おめでとう」などの歓声があがった。
二矢氏は「余呉の流れが変わって良かった。若者、女性の声が『活気、やる気、元気』を起こし、余呉の新しい流れを作った。皆さんの声を大事に頑張ります」と満面の笑顔で語った。
財政問題に関しては「町長の給与を50%カットするなど経費削減に努め、無駄遣いを無くし借金のない財政を目指す」と話し、合併問題は「避けて通れないが、合併がすべての財政問題を解決できるとは言い難い。1市6町合併が基本だが、一番端なので切り捨てられる可能性も。元気ある足腰の強い余呉町にして、単独でいける力をつけたい。町民の気持ちを最優先し、方向性を決めたい」と述べ、合併住民投票などは行わず、各集落単位での意見交換会開催を明らかにした。
余呉町長選開票結果
当 1,351 二矢秀雄 58 無新
1,272 久保田順一 60 無新
反対署名運動が伏線 女性が台頭、県議選へも勢い
今回の選挙は高レベル放射性核廃棄物処分場誘致問題が引き金となり、女性パワーが町に新風を巻き起こした。
処分場誘致問題はこれまで政治に関心がなかった女性や若者の心を大きく動かした。「余呉町に処分場はいらん」「流れを変えよう」。この気持ちがひとつとなり、反対署名は町民の過半数にのぼった。
住民パワーは畑野町長の応募断念を決心させる原動力となり、町長選でもその勢いを保ったまま「うねり」と化した。
町長選の結果は今春の県議選にも大きく影響を与え、伊香郡から「市民派」の候補者擁立が一気に加速するものとみられる。
余呉町の課題
同町は人口約4000人で面積の9割が山林。地元に「働く場所」がないため、若者は皆、都会へ進出。このため少子高齢化が進み町民の3人に1人が65歳以上のお年寄り。一方で年間の新生児数は30人を超えない状況が5年間続いている。
今年度の一般会計予算は26億6200万円で90年代半ばと比べ、10億円規模で減少。07年度は歳出が歳入を上回り、約1億5000万円の赤字に転落する見込み。財政調整基金も1億6000万円と、10年前の約半分まで切り崩した。このままだと夕張市と同様、国の指導下に置かれる「財政再建団体」への転落も免れえない状況といえる。
町は元来、高時川上流に建設予定の丹生ダムを観光や産業の起爆剤にしようとしていたが、国土交通省は丹生ダム計画の規模縮小を決定。頼みの綱だった湖北の大同合併は枠組みを縮小しながら次々と、破たんしてしまった。
こうした状況で畑野町長が選んだのは最終処分場の誘致だった。公募に応じれば文献調査や概要調査で多額の交付金が入るが、住民や県などの理解を得られず、2度も断念する結果となった。
町が抱える大きな課題は待ったなしの「財政救済」と湖北地域の将来を左右する「合併」。町を二分した今回の選挙では約半数の投票者が、財政救済の即効薬として「合併推進」を望んでいる。「二矢丸」はまさに荒波の中、新天地を目指す船のよう。安住の地を望む町民の期待も一層高まる。
2007年01月22日 13:32 | パーマリンク
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