滋賀夕刊新聞社は滋賀県長浜を中心に政治、経済、文化の情報をお届けする新聞です。



足をすくわれる

 なんばグランド花月の吉本新喜劇に安倍首相がサプライズ登場したのは4月のこと。今週末に大阪市で行われるG20サミットの宣伝のための体を張った営業だった。そして、この6月には今度は吉本新喜劇の芸人が首相官邸を訪問し、ネタを披露した。吉本興業がサミットに伴う交通規制の周知などに協力しているのが縁で、官邸との交流が生まれたわけだが、参院選を控えた首相にとってもイメージ戦略上、歓迎すべき訪問だったことだろう。
 さて、その吉本興業に所属する宮迫博之さんら芸人11人が約5年前、反社会勢力のパーティーに出席し、ギャラを受け取っていたことが明らかになり、謹慎処分を受けた。
 問題の反社会勢力は高齢者を狙った振り込め詐欺で40億円を騙し取ったグループとされ、メンバーの多くがその後一斉に逮捕されている。
 今回、謹慎となった芸人は会社を通さずに出席する「闇営業」で誘われた。「反社会勢力とは知らなかった」と弁明したが、会社を通さない闇営業のリスクを芸人が知らないとは思えない。
 何者かが週刊誌に5年前のパーティーの動画や写真を持ち込んだことで明るみになり、人気芸人が足をすくわれることとなった。
 芸能界と反社会勢力との関係は吉本興業の島田紳助さんが暴力団関係者との交際を理由に芸能界を引退するなど、これまでもたびたび問題になってきた。吉本興業が今回、人気芸人を含めて謹慎としたことは妥当な処分ではないだろうか。
 さて、吉本興業をサミットに向けたPRに活用した安倍首相はこれからが営業の山場を迎える。28日から大阪市で始まるG20サミットのポイントは各首脳会談にある。安倍首相は米・中・露などと首脳会談に臨むが、その営業成果はいかに。米国のトランプ大統領とは貿易交渉やイランをめぐる対応、中国の習近平国家主席とは経済協力、そしてロシアのプーチン大統領とは平和条約や北方領土問題の進展が問われる。また、その間、米露、米中の首脳会談も行われ、核軍縮や北朝鮮の非核化、貿易摩擦や知的財産権の保護などについて話し合われる見込みだ。
 「国際経済協調」を掲げるサミットだが、首脳会談では各国の利益とメンツを巡って海千山千の交渉が繰り返される。参院選を前に成果をあげたい安倍首相の相手はトランプ、習、プーチン。前のめりになったところを足をすくわれることがないよう願う。

2019年06月25日 16:23 |


過去の時評


しが彦根新聞
滋賀夕刊電子版
滋賀夕刊宅配版
滋賀夕刊デジタルトライアル
“新聞広告の資料請求、ご案内はこちらから"
 
長浜市
長浜市議会