滋賀夕刊新聞社は滋賀県長浜を中心に政治、経済、文化の情報をお届けする新聞です。



交番襲撃許すまじ

 16日朝、大阪府吹田市の吹田署千里山交番の前で、警察官が包丁で刺されて拳銃を奪われた。来週末には大阪市内で20カ国・地域による首脳会議(G20サミット)が開かれる予定なだけに、最悪のタイミングで発生した。
 拳銃が次なる犯行を生まないためにも犯人の早期逮捕が求められていたが、17日早朝、33歳の容疑者の男が逮捕された。奪われた拳銃も回収できた。
 逮捕の決め手は防犯カメラの画像だった。交番に設置されたカメラは、付近をうろつく不審な男をとらえ、画像が公開されると「息子に似ている」との届け出があり、容疑者の特定につながった。
 16日午後8時ごろに箕面市内の山中にある防犯カメラに似た男が写っていた。捜査員は日の出を待って山中に入り、ベンチで横になっている容疑者を発見した。
 交番に詰める警察官が襲撃される事件は1年前の6月にも発生している。富山市の交番で元自衛官の男が警察官を殺害し、拳銃を奪った。さらに交番近くの小学校前で、警備員の男性を射殺した。昨年9月には仙台市の交番で大学生の男が警察官を刺殺する事件も起きている。
 日本の治安の良さは世界的に評価される。その一端を担うのが、警察官が地域に溶け込む交番や駐在所の存在だろう。交番と駐在所は全国に約1万2500カ所にのぼる。交番には原則として24時間、警察官が常駐し、地域の治安を守るだけでなく、遺失物の取り扱いから登下校する子どもの見守りまで、幅広い活動で市民の安全を守ってくれている。
 この交番システムは世界でも注目を集め、ブラジル・サンパウロ州では2005年からJICAの協力で交番制度を導入した。いつも身近に警察官がいて地域の住民と交流することは犯罪の抑止、予防に直結する。サンパウロ州では犯罪が大幅に減少する成果を生んだ。そこでブラジル政府は今年4月、交番など日本の地域警察活動を全国的に導入する方針を決定した。日本の交番システムが世界へと広がりつつある。
 地域を守る拠点である交番を襲撃し、警察官から拳銃を奪う行為は日本の治安に対する挑戦でもある。再発防止のための検証や対策が急がれるとともに、容疑者の早期特定と逮捕に直結した防犯カメラの効能に改めて注目したい。

2019年06月17日 16:29 |


過去の時評


しが彦根新聞
滋賀夕刊電子版
滋賀夕刊宅配版
滋賀夕刊デジタルトライアル
“新聞広告の資料請求、ご案内はこちらから"
 
長浜市
長浜市議会