滋賀夕刊新聞社は滋賀県長浜を中心に政治、経済、文化の情報をお届けする新聞です。



サラ川に見る世相

 サラリーマンの悲哀を5・7・5に託した「サラリーマン川柳」(日本第一生命主催)のベスト10が23日発表された。10万7000人のファンの投票で1位に選ばれたのは「五時過ぎた カモンベイビー USA(うさ)ばらし」だった。仕事で溜まった鬱憤をアフターファイブに発散したいサラリーマンの気持ちを、流行りの歌に乗せて表現した秀作だ。
 今回は「ノー残業 趣味なし金なし 居場所なし」「やっと縁 切れた上司が 再雇用」「再雇用 昨日の部下に 指示仰ぐ」など、働き方改革をはじめ、定年延長や再雇用を詠んだ作品が多く寄せられた。
 また、スマホのアプリを利用して自宅にある不用品を転売できる便利な時代を背景に、「メルカリで 妻が売るのは 俺の物」「子におもちゃ 捨てると言ったら 『イヤ、売って』」などといった転売ネタも目立った。
 定番の健康ネタも多く、「いい数字 出るまで測る 血圧計」「『やせなさい』 腹にしみいる 医者の声」「下腹が 気づかぬうちに ひょっこりはん」がベスト10に入っている。
 さて、サラリーマン川柳は今回で32回を迎えたが、歴代1位の作品を振り返ると、時代を反映した単語が登場し、その当時の世相がうかがえて興味深い。バルブ景気の名残を思わせるのは「ボディコンを 無理して着たら ボンレスハム」(1990年)。当時、このゲームで遊んだ子どもは今やパパになっているのだろう「わが家では 子供ポケモン パパノケモン」(97年)。
 パソコンやインターネットが仕事でも家庭でも当たり前の時代となったが、黎明期のおじさんは大変だっただろうと想像できるのは「ドットコム どこが混むのと 聞く上司」(2000年)。「デジカメの エサはなんだと 孫に聞く」(01年)もデジタル化の波についていけない中高年の悲哀を感じ取れる。
 この頃から電話を使った詐欺が急増したのだろうか。「オレオレに 亭主と知りつつ 電話切る」(04年)は社会問題化しているオレオレ詐欺に、家庭での夫婦関係をコミカルに絡めている。また、「仕分け人 妻に比べりゃ まだ甘い」(09年)は政権を奪取した民主党(当時)による「事業仕分け」をテーマにした作品。無駄遣いに対するチェックは、国が甘くて家庭が厳しいのは今も変わらない。

2019年05月24日 17:00 |


過去の時評


しが彦根新聞
滋賀夕刊電子版
滋賀夕刊宅配版
滋賀夕刊デジタルトライアル
“新聞広告の資料請求、ご案内はこちらから"
 
長浜市
長浜市議会