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イシガメを探して

 ゴールデンウイーク前、大津市大萱の耕作地で、外来生物法で「特定外来生物」に指定されているカミツキガメが発見された。名前が示すとおり非常に攻撃的であごの力が強く、首がすばやく伸びるため、かまれると大けがを負うおそれがある。発見した場合は手を出さずに関係機関に通報するのが対処法だ。
 カミツキガメは北アメリカ、中央アメリカ原産で、ペットとして国内に持ち込まれ、千葉県では繁殖が拡大し、生態系を脅かしている。滋賀県内では1991年に琵琶湖で捕獲されて以降、今回の発見で24例目。ただし、これまで県内での繁殖は確認されていないという。
 カミツキガメは外来生物法で研究目的などを除き飼育や販売が禁止され、違反者は処罰の対象となるが、こっそりペットとして飼っていたカメが逃げ出したり、飼い主が放棄したりして、日本各地で出没している。
 大人になってからはカメに出会う機会はないが、ゴールデンウイーク中、4歳の次男が突然「カメが欲しい」と言い出したので、網を手に近隣の川や沼にカメを探しに出かけることになった。せっかく捕まえるのなら、日本固有種であるニホンイシガメを捕まえたい。
 日光浴のため陸に上がっていたり、水面から顔をのぞかせていたりと、カメを見つけるのは意外に簡単だが、捕まえるとなると苦労する。人の気配に敏感で、不用意に近づこうものなら、すぐに水中にもぐって隠れてしまう。
 念願のニホンイシガメはカメを探して2日目、比較的水がきれいな地域で発見した。捕まえた瞬間は童心に戻って心を躍らせた。和風の渋い色調の甲羅が美しく、ミシシッピアカミミガメやクサガメとは、そのたたずまいからして異なる。
 カメ捕りを通して感じたのは、長浜、米原両市の河川の多くが、小川も含めてコンクリート化されていることだ。これではカメが岸に登ったり、産卵したりできない。山間部に近い小川を覗き込んでもコンクリートで固められていた。水辺に棲む生物にとって何と住みにくい環境か。
 また、ミシシッピアカミミガメとクサガメばかりが目立ったのも気がかりだ。ミシシッピアカミミガメは幼体が「ミドリガメ」として販売され、祭りの縁日で「カメすくい」の商品だった。その旺盛な繁殖力で日本中に広がっている。クサガメは当初、在来種と考えられていたが、江戸時代以降に朝鮮半島や中国から持ち込まれた外来種とされる。のニホンイシガメとの交雑が課題となっている。
 日本固有のニホンイシガメが河川改修と外来種によって住む場所を追いやられている実態は深刻であり、加えて万一、カミツキガメが琵琶湖で繁殖するようなことになれば、既存の生態系に与える影響は小さくない。

2019年05月24日 15:49 |


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