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プラスチックごみの行先

 スーパーでの買い物のお供に「マイバッグ」はすっかり定着した。プラスチックごみ削減を狙ったレジ袋の有料化の効果ではあるが、これからは店頭に並ぶ商品の包装についても思いをめぐらせるべきかもしれない。
 こう考えるのは、有害廃棄物が国境を越えて移動することを制限する「バーゼル条約」の対象に、汚れた廃プラスチックを加えることが決まったというニュースを知ったからだ。この条約によって2021年以降、汚れた廃プラを輸出する際には相手国の事前の同意が義務づけられることになり、事実上、輸出は難しくなる。他国の、しかもリサイクルの難しい汚れたごみを喜んで受け入れる国なんてないからだ。
 日本の廃プラの排出量は年間約900万㌧という。そのうち約100万㌧を「リサイクル資源」として海外に輸出してきた。そのお得意先は中国だったが、現地でリサイクルされずに投棄されるなどの環境汚染を引き起こしていることから、中国は受け入れを禁止。このため、タイなどの東南アジアへの輸出に切り替えていたところ、今度の条約の改正だ。
 これにより、日本は廃プラの全量を国内で処理することになる見込みだ。廃プラはペットボトルや食品用トレー、シャンプーの容器など、私たちの生活に非常に身近な存在だ。これらは自治体(長浜市、米原両市の場合は湖北広域行政事務センター)が回収した後、リサイクル業者に引き渡されているが、輸出禁止によってリサイクルコストが上昇するようなことがあれば、そのコストは我々消費者にも跳ね返ってくるかもしれない。
 これを機に国内でのリサイクル体制の再構築が欠かせないが、昨今、課題として認知されてきた海洋へのプラスチックごみ流出などを考えると、プラスチックに頼らない商品やサービスの在り方を模索する必要がある。先進的なメーカーはたい肥化できたり、リユースできたりする容器や包装材を開発している。
 国内で排出されているプラスチックごみを「リサイクル」の名目で東南アジアなどに押し付けて環境汚染を引き起こし、日本人が涼しい顔しているなんて恥ずべきことではないか。

2019年05月13日 17:09 |


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