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歩行者優先のマナーを、全国交通安全運動

 大津市で8日、散歩中の保育園児が交通事故の巻き添えとなって、園児・保育士の16人が死傷した。ドライバーの不注意が招いた痛ましい事故に、あらためて日ごろの運転マナーを見直したい。
 11日から春の全国交通安全運動が始まる。運動の重点は「子どもと高齢者の安全な通行の確保と高齢運転者の交通事故防止」など4項目あり、特に滋賀県警では横断歩道での歩行者優先のルールを徹底させるため、「横断歩道利用者ファースト運動」を推進する。
 道路交通法では信号機のない横断歩道で歩行者が渡ろうとしている場合、車は一時停止することが義務付けているが、実態はかけ離れている。
 JAFが2016年から全国で実施している調査では、信号機のない横断歩道を歩行者が渡ろうとしている場面での車の一時停止率は8%前後で推移している。実に9割以上の車が一時停止しておらず、横断歩道前の歩行者に注意を払っていないことがうかがえる。また、調査に先駆けて行った「交通マナー」に関するアンケート調査でも「信号機のない横断歩道で歩行者が渡ろうとしているのに一時停止しない車が多い」との回答が86%にのぼった。
 あらためて道交法を紹介すると、「横断歩行者等の保護のための通行方法」として、▽歩行者の有無を確認できなければ、横断歩道の停止位置で止まれるような速度で進行する▽横断しようとしている、あるいは横断中の歩行者や自転車がいるときは必ず一時停止をする▽横断歩道内およびその手前30㍍は追い越しや追い抜きを禁止―。
 以上が道交法のルールではあるが、法律を持ち出すまでもなく、ドライバーには歩行者や自転車などへの配慮や優しい心遣いが求められる。
 ヨーロッパへ旅行したことがある人なら、「歩行者ファースト」が当たり前となっていることを感じるだろう。信号機のない横断歩道に立てば、必ずと言っていいほど車が一時停止して歩行者に道を譲る。これは交通ルールが徹底されているというより、弱者への優しさ、いたわり、配慮の心が醸成されているからだと小生は考えている。一方で、日本を含むアジアの国々は往々にして「車ファースト」。歩行者が車にひかれないよう注意する必要がある。
 春の全国交通安全運動で滋賀県警が掲げる「横断歩道利用者ファースト」は、単に「交通ルールを守れ!」という啓発ではなく、ドライバーが弱者への優しさ、配慮の心を持っているのか、試されていると受け止めたい。

2019年05月10日 16:10 |


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