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映画を憎まず

 俳優のピエール瀧容疑者がコカインを使用したとして12日、逮捕された。2013年の映画「凶悪」で日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞し、最近では「日本で一番悪い奴ら」「アウトレイジ最終章」「孤狼の血」での出演が印象に残っている。
 「やくざ映画」には欠かせない役柄であり、個人的にその演技を気に入っていただけに、今回の逮捕は残念でならない。
 コカインは映画やドラマによく登場する。ストローや丸めた紙で白い粉を鼻から吸うシーンだ。ピエール瀧が出演している映画に、そういうシーンがあったのかは記憶にはないが。
 過去には元プロ野球選手の清原和博、歌手のASKA、酒井法子、アーティストの槇原敬之らが覚せい剤取締法違反で逮捕されている。我々の日常生活では出会うことのない麻薬や覚せい剤が芸能界の華やかな世界では手の届くところにあるのではないかと勘繰る。
 さて、逮捕後の気になる動きに、瀧容疑者の出演する映画やドラマの放映、DVDの販売などを見合わせる動きがあることだ。過去にも俳優が逮捕された際には、出演作品がお蔵入りになったり、撮り直しが行われたりしたが、過剰反応ではないだろうか。
 実際に映画監督や制作現場からは「過去作まで封印するのは過剰反応」との批判の声が上がっている。「罪を憎んで人を憎まず」という格言があるが、犯罪は糾弾されたとしても、その作品には罪がない。映画や音楽はリリースされた以上、社会で共有される文化的資産であろう。それが業界の自粛によって姿を消すことに大いに違和感を覚える。

2019年03月15日 16:31 |


過去の時評


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