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沖縄県民投票後、新聞どう伝えた?

 米軍普天間基地の辺野古への移設を巡る沖縄県の県民投票(2月24日)は、投票者の72・2%が移設に向けた埋め立て工事に「反対」を表明したが、その後の全国紙の報道を比べると、そのスタンスの違いが如実に表れている。
 例えば社説。朝日は「沖縄県民投票 結果に真摯に向き合え」(25日)、「政権と沖縄 これが民主主義の国か」(26日)などと取り上げ、辺野古反対の沖縄県の声に寄り添う。安倍首相が「投票の結果を真摯に受け止める」と語りながらも、埋め立て工事を続けていることに、「『真摯に』という言葉が空々しく響く」と批判している。
 毎日も「『辺野古』反対が多数 もはや埋め立てはやめよ」(25日)、「辺野古めぐる新状況 『唯一』の固定観念を正せ」(28日)と、政権へ方針転換を促している。朝日、毎日はもともと辺野古移設に反対の立場であり、県民投票の結果がその論調を補強する材料となっている。
 一方、産経は「沖縄県民投票 国は移設を粘り強く説け」(25日)と題し、「移設を進めることができなければ、市街地に囲まれた普天間飛行場の危険性を取り除くことはできない」とし、「県民の安全確保と、国民を守る安全保障政策を尊重し、移設容認に転じるべき」と玉城デニー知事に求めている。政府・与党に対しては「日本の安全にとって移設が重要であることを、県民に粘り強く説く責任がある」と指摘した。
 産経と同じく辺野古移設を推進する読売はまだ一度も社説で取り上げていない。25日の朝刊では他紙がトップ記事で県民投票を伝える中、読売は「適量ですか 高齢者の薬」と題した記事を掲載し、県民投票の扱いは大きくない。「県民の参加は広がりを欠き、影響は限定的」「法的拘束力なし」などと報道し、県民投票を矮小化する意識が見え隠れする。
 きのう1日、玉城知事が安倍首相に県民投票の結果を直接伝えた。玉城知事は「直接示された民意は何より重く、尊重されなければならない」と工事中止を求めたが、安倍首相は「もはや先送りできない」と取り合わなかった。
 これを受けて社説を掲載したのは朝日と東京。朝日は「政権と沖縄 対話なしに展望はない」(2日)と題して、「対話によって解決の道を探る。いま政府に何より求められることであり、その姿勢なしに将来の展望はない」と訴える。東京は「安倍・玉城会談 『真摯』の言葉に誠実に」(2日)との見出しで、安倍首相に対して「またかとため息が出る」「相変わらず誠実でない」と批判する。そのうえで、米軍再編計画を取り上げ「新たな地元負担なしの普天間返還の方策は必ずあるはずだ」と訴える。
 新聞各社の報道姿勢は以上の社説のように多様であるがゆえに、複数の新聞に目を通すことをお勧めしたい。幸い、社説は各社のホームページで公開しているので、インターネットで気軽に読み比べできる。日ごろ読んでいない新聞がどのような報じ方をしているのか、調べてみることも視野を広げ、頭を柔らかくするきっかけになる。

2019年03月02日 16:14 |


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