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便利さの裏側で

 現代の暮らしに不可欠なコンビニ。365日24時間オープンで、弁当や総菜、雑誌、日用品など品揃えが豊富。ATMで現金を引き出せ、公共料金の支払いや宅配物の受け取りもできる。滋賀夕刊も事務所の隣がコンビニなので小生は毎日のように利用している。
 しかし、その便利さの代償として、働き手が限界を迎えている店がある。今、東大阪市にあるセブンイレブンのフランチャイズ加盟店が人材不足を理由に24時間営業を取り止め、19時間営業に切り替えたところ、本部から契約解除と違約金1700万円を通告される事態となっている。
 オーナーの男性は7年前にセブンイレブンとフランチャイズ契約を結び、店を開業。学生らのアルバイトを雇いながら夫婦で切り盛りしていたが、昨年、妻をがんで亡くし、さらには学生アルバイトが卒業と同時に店を辞め、人手不足に陥った。アルバイトを募集しても集まらず、男性が連続して店に出ることに。この8カ月で休んだのは3日間だけという。
 「過労死してしまう」。男性は午前1時から6時の営業を取り止めることを決断し、2月1日から実施した。
 これに対して本部は期間限定で夜間の人的サポートを提案し、24時間営業に戻すよう求めているが、男性は「人員派遣は永続的な対応でない」と拒否している。
 本部に反旗を翻す男性に、24時間営業を負担に感じる全国のオーナーから応援のメールなどが寄せられているという。
 コンビニでの過酷労働は昨年2月の福井豪雪でも問題になった。自衛隊が災害派遣されるほどの大雪。県内のセブンイレブンのオーナー夫婦が雪かきに追われたうえ、アルバイトも出勤できず、来客も少ないことから営業中止を本部に相談したが、認めてもらえなかった。妻は過労で救急搬送され、夫は約50時間にわたって勤務することになった。
 いつでも営業しているという安心感がコンビニの強みであることは言うまでもない。しかし、誰かの犠牲の上に成り立っているのならば、そのサポートや改善が欠かせない。特にフランチャイズ契約は本部の縛りが強く、今回のケースのようにオーナーであるにもかからず営業時間も独自に決められない。
 我々、消費者はコンビニをはじめ便利なサービスをさも当然のように享受しているが、その裏側で大企業との契約により過重な労働を強いられている人はいないのか、問い直したい。質の高いサービスの背景で誰かが犠牲になっていないか、そして、そのサービスは持続可能なのかと。サービスを生んでいるのが、どこかの誰かではなく隣人であることを認識したい。

2019年02月22日 16:51 |


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