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長浜と彦根の予算

 長浜市の新年度当初予算案が発表された。一般会計の総額は525億円。ポイントは多額の財源投入が必要となる大型建設事業が昨年に引き続き行われることと、小学校給食無料化や保育料減免制度など独自性ある子育て支援策が維持されていることだろうか。
 大型建設事業が相次ぐと「ハコモノ行政」と批判される向きがあるが、本当に必要な「ハコモノ」ならば、経費を削減しながら建設すればよい。ただし、多額の税金を投入しておきながら効果的に運用・活用されなければ、税金の無駄遣いと市民から批判を受ける。
 再開発ビル「えきまちテラス長浜」に代表される駅前再開発事業は多額の税金投入に見合う賑わいを生み出せず、かつ施設を管理・運営する3セクは経営に苦しんでいる。小谷城スマートインターチェンジも、今のところ周辺が発展する気配はない。
 だからこそ、新年度に整備費や補助金が予算化されている北部地域総合体育館や元浜町13番街区再開発事業などは、その「建設後」を市民が心配している。えきまちテラスの二の舞になりはしまいか、体育館は有意義に活用されるのか、と。
 さて、長浜市と人口規模がほぼ同じの彦根市も、先日、総額443億6000万円の当初予算案を発表した。こちらは市庁舎耐震化工事や市民体育センター整備費など大型建設事業が財政を圧迫している影響で、長浜と並ぶ夏の風物詩である彦根大花火大会は「中断」とし、商店街の名物である「彦根ばやし総おどり大会」は廃止となった。
 一般会計の市債残高は450億円で、長浜市の462億円と大差ない。しかし、基金残高は大きく異なる。彦根市の19年度末の残高見込みはわずか38億円。うち、比較的自由に使える財政調整基金は12億円、市債償還の財源とする減債基金は1・5億円しかない。長浜市の基金残高305億円(財政調整56億円、減債80億円)と比べても、非常に心もとない。
 人口減少に転じた今、地方の自治体は財政規模をスリム化させる必要があるが、彦根市は増加が続いてきた。市庁舎耐震化工事や滋賀国体に向けた施設整備という特殊事情があるにせよ、計画性と余裕のない財政が今回の花火大会中断を招いたと市民から批判されても仕方がない。
 長浜市の場合、市町合併後、プライマリーバランス(基礎的財政収支)は黒字を維持し続け、借金に頼らない財政運営を続けている。ゆえに市は「財政の自立性と健全性を堅持」と胸を張っているものの、大型建設事業の連続により市町合併で肥大化した予算規模のスリム化は遅れている。合併に伴う地方交付税の特例は今も段階的に縮小されており、事業の取捨選択により身の丈に合った財政規模への縮減が欠かせない。

2019年02月20日 17:59 |


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