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お粗末町議会

 5日に告示された甲良町の出直し町長選は前町長の野瀬喜久男氏以外に立候補者がなく、野瀬氏が無投票当選となった。野瀬氏自身と町政の相次ぐ不祥事を受けての選挙だったが、野瀬氏に反発する町議会が対立候補を擁立できなかったことで、町民が振り回される徒労に終わった。
 野瀬氏は2017年10月の町長選で初当選したが、その直後、JA東びわこから推薦を得ていないにもかかわらず選挙用のビラやはがきに推薦団体として掲載していたことが発覚。その後も、選挙資金として支援者から借りたとされる現金を収支報告書に記載していない問題も明らかになった。
 また、極めつけは、町民513人分の氏名や税額などの個人情報が記載された内部資料が第3者の手に流出した問題だ。町は内部犯行の可能性が高いとして彦根署に被害届を提出した。
 相次ぐ不祥事に町議から批判が噴出し、昨年12月には野瀬氏の不信任決議案が提出された。この時、町議会は野瀬氏自身に進退を委ねることにして決議案を否決した。そして、年明け早々、突然、野瀬氏が辞任を表明し、町民に信を問うとした。
 一方、町議の大多数が野瀬氏に批判的な町議会は、突然の辞任に大慌てで対立候補の擁立に動いたが、失敗。野瀬氏の無投票当選を招くこととなった。町政と町議会の対立が生み出した出直し町長選は「大山鳴動して鼠一匹」にも至らないお粗末な結果となった。
 甲良町で印象深い不祥事といえば、2017年に発覚した税務課職員による3000万円の横領事件だろう。2年間にわたって町民が納めた税金を横領し、高級車を買うなどしていた。逮捕直前、「罪悪感はありましたけど、やっぱりシメシメ感が」などと、笑みを浮かべてテレビ取材に応じていたことが町民の怒りを買った。
 この事件、野瀬町政前の出来事とはいえ、3000万円もの横領に気が付かない町の管理体制が大いに批判されたが、昨年の税資料の流出問題を見ても、その体質が改善されていないことがうかがえる。
 その弛緩した町政を生み出している原因の一つが町議会であることは言うまでもない。不信任決議案を提出し、町長を辞職に追い込んでおきながら、対立候補さえ立てられないお粗末さ。その汚名を返上するためにも、町政立て直しへ徹底した追及と提案が求められよう。

2019年02月06日 17:06 |


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