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2019年02月13日

不良品のごみ袋

 湖北広域行政事務センターが岐阜県内の業者に発注した家庭用可燃ごみ指定袋に不良品が混在していることが明らかになった。12月中旬から出回ったごみ袋は手触りからして以前のごみ袋とは異なり、品質の違いは明らか。てっきり仕様が変更になったものと考えていたが、不良品と知らされ、「やっぱり」と思った市民は少なくないだろう。
 不良品の原因は中国国内の工場での製造過程で、体積を膨張させるための無機物が必要以上に投入され、密度が低下したためのようだ。問題なのは、そのごみ袋が湖北広域行政事務センターに納品されるにあたって、名古屋市工業研究所の強度検査成績書を添付していたことだ。公的機関の検査をクリアしたとの証明書が付いているにもかかわらず、不良品が混ざっていた。
 不良品の混入の割合は一定でない。ゆえに、サンプリング調査で、偶然、不良品が検査対象とならなかったとみる性善説に立つべきか、検査を通すために意図的に強度のある製品を提出したという性悪説を取るべきかは別にして、お金を出して不良品を購入した市民も、不良品を納品されたセンターも迷惑な話である。岐阜の納入業者と発注先の中国の工場の責任は大きいが、この不良品が湖北地域だけの問題にとどまるのかが心配される。
 テレビや新聞の報道を受けて、13日朝から、市役所には市民がひっきりなしにごみ袋の交換に訪れている。特に、一部の報道機関があたかも市が回収を呼びかけているように報じたことから、親切心から役所にごみ袋を持って訪れる市民が後を絶たない。
 しかし、センターによると検品済みのごみ袋の在庫には限りがある。新しい製品が市民に届くのは4月上旬になる見込みだ。それまではガムテープで補強するなどして、付き合うことも覚悟したい。

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2019年02月08日

臨時財政対策債

 滋賀県が8日発表した2019年度当初予算案。一般会計の総額は前年度比0・8%増の5415億円だった。高齢者介護や保育支援、障害者福祉などの経費が大幅に増えていることに加え、国民スポーツ大会(国体)に向けた関連施設の整備経費が目立つ。
 歳入の根幹となる県税収入はここ10年で最も高い水準で、前年度に比べ65億円増の1705億円を見込んでいる。県内企業の業績が好調で法人2税の増加が見込まれること、就業者の増加により個人県民税も伸びることが大きな要因だ。
 だが、県の財政事情は心もとない。財源不足を補うため、借金である県債を720億円発行する。県債残高は42億円増えて1兆1076億円にのぼる見込み。
 一方、財源不足に対応する財政調整基金と、借入金返済に備えるための県債管理基金の残高は138億円に減少する。他の基金を含めても総額は363億円。ここ20年で最低の水準だ。
 財政の健全性を示す指標の一つにプライマリーバランス(基礎的財政収支)がある。これが黒字であれば、財政が持続可能という数値だ。新年度予算案では53億円の黒字を見込んでいる。「6年連続で黒字を維持し、財政収支の改善を図っている」と県は胸を張るが、1兆円を超える借金と比較すると、たった53億円の黒字では心もとない。
 借金が1兆1000億円にのぼり、貯金がたった363億円。「財政収支の改善」を説明されたところで、県民が安心することはないだろう。
 さて、滋賀県に限らず全国の自治体の予算案に必ず出てくるワードに「臨時財政対策債」がある。財源不足の国に代わって自治体が発行している県債や市債のことだ。この臨時財政対策債の元利償還については国が地方交付税で全額を補填することになっている。
 つまり、親が一人暮らしの学生に「おカネがないから、仕送り額を減らす。足りない分は借金しておいて。後で必ず返すから」と言っているようなものだ。ただ、親は莫大な借金を抱え、しかも増え続けている状態。
 そもそも、この臨時財政対策債、当初は2001年からの3カ年に限る臨時措置だった。しかし、財源がなくても予算を生み出せるこの措置、国にも自治体にも都合が良いことから、ずるずると延長され、もはや臨時ではなく恒常的な措置となってしまっている。
 自治体が財政を説明するとき「臨時財政対策債を除くと…」と前置きすることがある。滋賀県の場合、臨時財政対策債を除くと県債残高は6525億円へと圧縮されるし、プライマリーバランスも304億円の黒字に跳ね上がる。
 ただし、これは国が約束を守って元利償還することを前提にしている。借金まみれの国にそんなことが可能なのか大いに疑問に思うところだ。臨時財政対策債は「ゆでガエル」のようにじわじわと地方財政の首を絞めつけている。

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2019年02月06日

お粗末町議会

 5日に告示された甲良町の出直し町長選は前町長の野瀬喜久男氏以外に立候補者がなく、野瀬氏が無投票当選となった。野瀬氏自身と町政の相次ぐ不祥事を受けての選挙だったが、野瀬氏に反発する町議会が対立候補を擁立できなかったことで、町民が振り回される徒労に終わった。
 野瀬氏は2017年10月の町長選で初当選したが、その直後、JA東びわこから推薦を得ていないにもかかわらず選挙用のビラやはがきに推薦団体として掲載していたことが発覚。その後も、選挙資金として支援者から借りたとされる現金を収支報告書に記載していない問題も明らかになった。
 また、極めつけは、町民513人分の氏名や税額などの個人情報が記載された内部資料が第3者の手に流出した問題だ。町は内部犯行の可能性が高いとして彦根署に被害届を提出した。
 相次ぐ不祥事に町議から批判が噴出し、昨年12月には野瀬氏の不信任決議案が提出された。この時、町議会は野瀬氏自身に進退を委ねることにして決議案を否決した。そして、年明け早々、突然、野瀬氏が辞任を表明し、町民に信を問うとした。
 一方、町議の大多数が野瀬氏に批判的な町議会は、突然の辞任に大慌てで対立候補の擁立に動いたが、失敗。野瀬氏の無投票当選を招くこととなった。町政と町議会の対立が生み出した出直し町長選は「大山鳴動して鼠一匹」にも至らないお粗末な結果となった。
 甲良町で印象深い不祥事といえば、2017年に発覚した税務課職員による3000万円の横領事件だろう。2年間にわたって町民が納めた税金を横領し、高級車を買うなどしていた。逮捕直前、「罪悪感はありましたけど、やっぱりシメシメ感が」などと、笑みを浮かべてテレビ取材に応じていたことが町民の怒りを買った。
 この事件、野瀬町政前の出来事とはいえ、3000万円もの横領に気が付かない町の管理体制が大いに批判されたが、昨年の税資料の流出問題を見ても、その体質が改善されていないことがうかがえる。
 その弛緩した町政を生み出している原因の一つが町議会であることは言うまでもない。不信任決議案を提出し、町長を辞職に追い込んでおきながら、対立候補さえ立てられないお粗末さ。その汚名を返上するためにも、町政立て直しへ徹底した追及と提案が求められよう。

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