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沖縄県民投票

 沖縄県の普天間飛行場代替施設建設のための辺野古埋め立ての賛否を問う県民投票は2月14日に告示されるが、宮古島、沖縄、宜野湾、石垣、うるまの5市が不参加の方針で、県内の有権者の3割に当たる約36万3000人が投票の機会を奪われることになる。
 県民投票は、条例制定を求める9万2848筆の署名を集めた直接請求を受け、県政与党の「社民・社大・結連合」と共産などが中心となって、県議会に「賛成」「反対」の2択を問う条例案を提出し、成立した。これに対し、自民と公明は「賛成」「反対」だけでなく「やむを得ない」「どちらとも言えない」の4択を求める条例案を提出したが、賛成少数で否決された経緯がある。
 県民投票の選択肢について県政与党は「4択では辺野古基地建設に対する民意をあいまいにする」「請求者も4択に反対している」と指摘し、野党は「反対票が多い場合、普天間飛行場の固定化を容認したという誤ったメッセージを発信する」「多様化する県民の思いを反映させるため選択肢を増やすべき」と主張していた。
 5市では市議会で予算案が否決されたことを受け、それぞれの市長が県民投票に参加しないことを表明。市長は「投票結果によっては普天間飛行場の固定化につながる懸念が極めて強い」「単に○か×かで市民に迫るやり方はあまりに乱暴」などと2択を批判している。
 しかし、投票権は民主主義を支える基本的な権利であり、県民投票はその権利を行使する貴重な機会でもある。その機会を市や市議会が奪うのであれば、市民からの批判は免れない。
 今、全市町での実施に向けて選択肢の見直しを求める意見も出ているが、その実現性は流動的だ。そのうえ、菅義偉官房長官は県民投票の結果が移設工事に及ぼす影響は「全くない」と断言し、反対票が賛成票を上回ったケースに備えて予防線を張っている。
 県民の3割が参加せず、投票結果によって移設工事が影響を受けることはない。こんな状況で実施する県民投票にどれほどの意義があるのか?―。県民投票反対派からはそんな声が聞こえてきそうだ。
 だが、県民の意思表示の機会を奪い、県民投票を骨抜きにすることは民主主義の自殺行為ではないだろうか。県議会での与野党間の調整不足が今回の混乱を招いた原因である以上、選択肢の再考を含めた与野党の歩み寄りが欠かせない。目下、5市の不参加回避のため3択案が急浮上している。県民投票の全市町実施のためにも、調整が実現することを期待する。

2019年01月21日 16:23 |


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