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市民ホール整備を

 年末、長浜フェスティバルオーケストラのメンバーによる気楽なコンサートが北ビワコホテルグラツィエで開かれた。出席者50人程の密度の濃いコンサートで、ヴァイオリン、フルート、ピアノ、ハープ、コントラバス、ファゴットの演奏、そしてソプラノやバリトンの迫力の声量に圧倒され、演奏会後の立食パーティーは演奏家と交流の場となった。
 このオーケストラは木之本町内で企業を経営する平井正公さんが地域に根ざしたオーケストラを結成しようと音楽仲間に呼びかけ、一昨年に誕生した。プロ、アマが集い、年1回のコンサートを目指している。
 指揮者の藤村知史さんは以前、滋賀夕刊の取材に「とても実験的なオーケストラ。クラシック演奏に触れる機会の少ない田舎で、オーケストラを結成することで、地域の人がクラシック音楽を好きになるかもしれないし、子どもたちが音楽を始めるかもしれない」とオーケストラ結成の意義を語っていた。
 藤村さんが指摘するように、都市部に比べると田舎はどうしてもクラシック音楽に触れる機会が少ない。だからこそ、その機会を大切にしたい。
 大晦日の夜には市民有志の発案により、長浜駅東側のペデストリアンデッキで第九の演奏会があり、市民が楽器を持ち込んだり、合唱に参加したりした。平成最後の大晦日の夜をベートーヴェンの名曲と共に過ごそうという、素敵な企画が市民のアイデアで生まれたことを嬉しく思う。
 長浜市民会館が閉館して10年。そして、長浜文芸会館の耐用年数はあと2年。市は昨秋、懇話会を設置して新しい文化ホールの整備について検討を始めた。ただ、新しいホールの実現には数年かかる見込みで、財源と運営コストも課題となろう。
 長浜の文化・芸術活動の拠点となってきた長浜文芸会館の閉館後、市内の文化・芸術活動の行く末を心配する声も出ている。これらの活動に支障が出れば、新しい文化ホールの整備に手をこまねいてきた市の責任が問われようが、何とか市民のアイデアで乗り切りたい。だからこそ、長浜フェスティバルオーケストラや、市民のアイデアによる第九演奏会を心強く思う。
 長浜で育つ子ども達のために幅広い文化・芸術活動に触れる場となる市民ホールの整備は喫緊の課題だ。その気運が盛り上がることを期待したい。

2019年01月07日 16:17 |


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