滋賀夕刊新聞社は滋賀県長浜を中心に政治、経済、文化の情報をお届けする新聞です。



新しい時代の宿題

 滋賀夕刊はきょう28日が平成30年最後の発行となる。
 今年の湖北地域を振り返ると、長浜市では市長選と市議選があった。現職の藤井勇治氏が市議の中川勇氏を迎え撃った2月の市長選は、市民が藤井氏の続投を選んだ。7月の市議選は来年4月の県議選を目指して有力議員が勇退する一方で、新人の立候補がふるわず、過去に例を見ないくらい盛り上がりのない選挙戦だった。新しく市民の負託を受けた議員には市民の声を市政にまっすぐに反映させるためにも、市民感覚を忘れることなく長浜のまちを見つめてもらいたい。
 来年には県議選が行われる。今のところ長浜選挙区(定数4)には6人、米原選挙区(同1)には2人が立候補する予定だ。遠く離れた大津市の県庁に湖北の声を届けて欲しい。
 今年の漢字に「災」が選ばれたように、自然災害が猛威を振るった。米原市では竜巻とみられる突風によって住宅が大きな被害を受け、その爪痕は今も残る。台風21号の被害も深刻だった。自然の前では無力な人間ゆえに、知恵を絞った災害への備えと、災害後の助け合いが大切となる。竜巻の被災地では誰が呼びかけるでもなく子どもから大人までボランティアでがれきの始末などに汗し、その助け合いの姿を心強く思った。
 明るいニュースといえば皇太子ご夫妻の湖北入り。長浜バイオ大学ドームで開かれた全国「みどりの愛護」のつどいにご出席された。2人揃っての滋賀ご訪問は23年ぶりのことだった。
 西浅井町菅浦の須賀神社に伝わる「菅浦文書」が国宝に指定された。鎌倉時代後期から江戸時代初期にかけての惣村の資料で、貴族や寺社・武家ではなく、村人が書き残した文書が国宝になったことが意義深い。
 国政に目を転じると、安倍政権が安定した議席を背景に、良くも悪くもスピード感のある政治を行っている。新語・流行語大賞の「ごはん論法」は、選考委員の政治思想を背景にノミネートされたが、現政権の不誠実な国会対応を示す言葉としては的確であろう。政権長期化による権力集中と弛緩は世の常だが、その責任は与党のみならず、離合集散と対立を繰り返す野党にもあろう。来夏の参院選で今の政治の課題を浮き彫りにし、解決策を示してもらいたい。
 世界では急速に進んだグローバル化への反動を受けて誕生した米国第一主義の大統領によって、米中対立が激化し世界経済に混迷をもたらす気配。また、来年はEUから英国が離脱するが、そのルール作りは難航している。軟着陸できないようであれば、欧州の融和を目標に加盟国を増やしてきたEUが危機を迎える。
 さて、平成の湖北地域は1市12町が大合併により2市へと統合された。人口減少に備えた行政組織のリストラが目的で、市民の側も自治会活動をはじめ人口減少への備えが欠かせない。人口が増えた昭和・平成ではない、過疎化が加速する時代が到来しているのだから。
 市民有志が思いを結集して平成元年に誕生した黒壁スクエアは地方の観光地として名声を高めた。連綿と受け継がれてきた長浜曳山まつりはユネスコ無形文化遺産に登録された。その市街地でさえも過疎化にあえぎ、空き家、空き店舗が目立つ。
 昭和・平成に湖北を発展させた先人に続いて、新しい世代はその伝統や文化をどのように守り、時代に合わせて変革させるのか。湖北地域に住む我々自らの宿題であることを強調して、新しい年の皆さまの幸せを念じつつ、ペンを納めます。

2018年12月28日 12:46 |


過去の時評


しが彦根新聞
滋賀夕刊電子版
滋賀夕刊宅配版
滋賀夕刊デジタルトライアル
“新聞広告の資料請求、ご案内はこちらから"
 
長浜市
長浜市議会