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ボヘミアン・ラプソディ

 イギリスの伝説的ロックバンド「QUEEN」のフレディ・マーキュリーを描いた映画「ボヘミアン・ラプソディ」が空前のヒットを続けている。
 QUEENは「ボヘミアン・ラプソディ」「キラー・クイーン」「バイシクル・レース」「伝説のチャンピオン」「ドント・ストップ・ミー・ナウ」などのヒット曲を持ち、レコード販売数は3億枚。世界中の誰もが知っているバンドだ。
 映画はQUEENの中心的人物であるフレディの生き様を描いている。バンドのメンバーとの出会いからグループが大成する様子をたどり、ロックにオペラを挿入した名曲「ボヘミアン・ラプソディ」誕生の瞬間や、人生をかけた史上最大のステージでの圧巻のパフォーマンスに立ち会える。
 フレディというと、タンクトップ姿にちょび髭、独特のライブパフォーマンスが印象的で、HIV感染合併症により若くして亡くなった天才的アーティストという知識ぐらいしかなかったが、映画を通して彼の音楽にかける情熱や、自身のルーツに対する葛藤などを知ることができた。
 映画の冒頭、フレディが「パキ」と罵倒されるシーンがある。パキスタン人への蔑称であろうが、フレディはインド人を両親に持ち、英国領タンザニアのザンジバルで生まれた。本名は「ファルーク・バルサラ」。インドで幼少期を過ごした後、ザンジバルに戻ったが、革命が起こったことから、イギリスに移住。フレディが17歳の時だった。
 イギリスを代表するロックバンドの中心人物が移民という点は、世界の国々を植民地としていた同国ならでは。それでも「パキ」と罵られたように、移民に対する差別意識は少なくなかったのであろう。映画には移民というキーワードのほか、家族、宗教、容姿、性的マイノリティ、孤独、HIVなど、フレディの抱える悩みや葛藤が次々と登場する。1970代のイギリスを舞台としていながら、現代社会に生きる、世界の人々が抱える今日的葛藤に通じるところもある。フレディという1人の天才的アーティストの壮絶な人生と音楽をただ追っただけではないこの映画、必見です。

2018年12月14日 12:23 |


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