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次世代型店舗

 湖北地域に初進出となった京都銀行の長浜支店は、「次世代型店舗」としてIT技術を駆使して省力化を図っているのが特徴だ。来店者自らが操作する「セミセルフ端末」や小型ロボットによる受付システムを導入している。同規模の店舗では従来6人程度の事務人員が必要だったが、長浜支店では2人で対応可能となった。従来型の金融機関には欠かせないカウンターを省き、ATMを1台しか設けていない点も次世代型の特徴と言えるだろう。
 銀行の平日休業が可能となる銀行法施行令が今年8月に施行され、昼休み時間を設けることができるようになったのも、少人数で運営する次世代型店舗の導入の後押しとなったようだ。
 さて、次世代型の導入の背景は金融機関の店舗を訪れる利用者が減っていることにある。ネット取引やキャッシュレス決済が普及し、ATMや窓口のニーズは減少している。
 このため、少なくない金融機関がATMの削減のみならず、店舗の統廃合に乗り出している。一方で、コンビニのATMは充実し、遠くの銀行より近くて便利なコンビニがATM利用の舞台となっている。自前のATMをゼロにして、すべてコンビニに任せている大手銀行もあるほどだ。
 また、一昔前までは通帳に入出金や振込の記録など取引履歴を残したり、他口座へ送金したりするのもATMの役割だったが、ネットバンクの普及によりスマホやパソコンで完結でき、通帳を発行する必要性もなくなっている。
 キャッシュレス化は世界の潮流だ。日本は現金信仰が根強く世界から取り残されている感があるが、欧米や中国、韓国では、クレジットカードやプリペイドカード、スマートフォンなどでの決済が主流で、現金を扱うことはほとんどない。
 ただし、金融機関の店舗が削減されると高齢者を中心に利用者には不便となる。京都銀行の土井伸宏頭取はメガバンクがドラスティックに店舗数を削減していることに、「地銀はお客さんとの接点、利便性を損なうことに抵抗がある」として、「店舗コストを下げ、拠点をできれば増やしていきたい」と語っていた。
 キャッシュレス化に加え、地方の人口減少は地銀の利用者減に直結する。ITを駆使した次世代型店舗の展開は地銀が生き残るうえで欠かせない戦略であり、長浜モデルの行く末が注目される。

2018年11月28日 17:25 |


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