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文化・芸術への支援

 石田節子議員「文化芸術は言うまでもなく、心豊かな生活や郷土への愛着など、魅力あるまちづくりや物づくりの重要な要素であります。これまで、それぞれの地域で築き上げられてきた特色ある歴史を簡単にやめてしまうことは、今後のまちづくりに向けての損失は大変大きいと考えます。文化を守ることは地域を守ることと言っても過言ではございません。地域に根づいた文化芸術をどう考えておられるのか、また支援の方策はないかをお尋ねをいたします」。
 企画部長「地域に根差した活動等を大切にするという観点から(中略)、必要な一定額の補助について検討してまいりたい」。
 藤井勇治市長「地域の皆さんの文化や芸術、今日までやってきたことを守り抜こうという地域の皆さんの市民力と申しますか、これに大変嬉しい思いをいたしました。(中略)しっかり頑張ってくれというエールをぜひ送りたいと思っています」。
 以上は2010年の市議会の一般質問でのやりとり。テーマは伊香美術展覧会への支援を巡るものだ。
 前身の「伊香郡美術展覧会」は1968年、伊香郡2町2村の教育関係者の発案で始まった。同年11月23日付の「夕刊滋賀」(現在の滋賀夕刊)の伊香版では「郡民の力作を一堂に」との見出しで、町村長会や議長会、教育委員会が後援していること、初めての郡展ということで力作が出揃っていること、入選者の氏名などを紹介していた。
 あれから50年。伊香郡4町の長浜市との合併に伴って主催団体や後援団体が消滅したことから、伝統を守ろうと立ち上がった地元有志が実行委員会を立ち上げ、展覧会の自力開催を続けてきたが、昨年が最後となった。
 市議会で取り上げられた市の支援は、事務局によるとわずか3年間で「打ち切り」となり、企業や個人の協賛金、作品の出品料だけでは経費を賄えなかった。実行委員会のメンバーの高齢化も課題だった。
 先達が築き地域に根付かせた芸術の灯を守るため、住民が手弁当で取り組む活動を誰がサポートするのか。地域の文化・芸術活動は美術展覧会に限らない。音楽、演劇、映画、文学など様々だ。こういった活動を支えるために手を差し伸べるのは市の役割ではないだろうか。もちろん補助金目当ての「負んぶに抱っこ」の団体は切り捨てていい。だが、郷土の文化・芸術振興のために汗を流す団体が困っているのならば、切り捨てるのではなく「頑張ってくれ」とエールを送る長浜市であってほしい。

2018年11月14日 16:49 |


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