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2018年11月28日

次世代型店舗

 湖北地域に初進出となった京都銀行の長浜支店は、「次世代型店舗」としてIT技術を駆使して省力化を図っているのが特徴だ。来店者自らが操作する「セミセルフ端末」や小型ロボットによる受付システムを導入している。同規模の店舗では従来6人程度の事務人員が必要だったが、長浜支店では2人で対応可能となった。従来型の金融機関には欠かせないカウンターを省き、ATMを1台しか設けていない点も次世代型の特徴と言えるだろう。
 銀行の平日休業が可能となる銀行法施行令が今年8月に施行され、昼休み時間を設けることができるようになったのも、少人数で運営する次世代型店舗の導入の後押しとなったようだ。
 さて、次世代型の導入の背景は金融機関の店舗を訪れる利用者が減っていることにある。ネット取引やキャッシュレス決済が普及し、ATMや窓口のニーズは減少している。
 このため、少なくない金融機関がATMの削減のみならず、店舗の統廃合に乗り出している。一方で、コンビニのATMは充実し、遠くの銀行より近くて便利なコンビニがATM利用の舞台となっている。自前のATMをゼロにして、すべてコンビニに任せている大手銀行もあるほどだ。
 また、一昔前までは通帳に入出金や振込の記録など取引履歴を残したり、他口座へ送金したりするのもATMの役割だったが、ネットバンクの普及によりスマホやパソコンで完結でき、通帳を発行する必要性もなくなっている。
 キャッシュレス化は世界の潮流だ。日本は現金信仰が根強く世界から取り残されている感があるが、欧米や中国、韓国では、クレジットカードやプリペイドカード、スマートフォンなどでの決済が主流で、現金を扱うことはほとんどない。
 ただし、金融機関の店舗が削減されると高齢者を中心に利用者には不便となる。京都銀行の土井伸宏頭取はメガバンクがドラスティックに店舗数を削減していることに、「地銀はお客さんとの接点、利便性を損なうことに抵抗がある」として、「店舗コストを下げ、拠点をできれば増やしていきたい」と語っていた。
 キャッシュレス化に加え、地方の人口減少は地銀の利用者減に直結する。ITを駆使した次世代型店舗の展開は地銀が生き残るうえで欠かせない戦略であり、長浜モデルの行く末が注目される。

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2018年11月21日

夫婦円満の秘訣は

 明治安田生命は11月22日の「いい夫婦の日」にちなんでアンケート調査を実施。2人が出会ったきっかけ、現在の夫婦関係、そして「生まれ変わっても結婚したいか」などの質問を通して、夫婦像に迫っている。4人中3人が「夫婦円満」と回答しているものの、その内実は、妻の心、夫知らずというべきか…。
 2人の出会いは「職場」が30・2%で最も多く、以下、「友人・知人の紹介」が23・1%、「学校の同級生・先輩・後輩」が12・7%と続く。ただ、年代別に分析すると、20代・30代の1割が「インターネット・SNS」で出会い、60代・70代の2割が「お見合い」という結果で、出会い方に時代の移り変わりがうかがえる。結婚までの交際期間は1年以下が35・1%、2年以下が24・8%となり、約6割が2年以内に結婚していることが分かる。
 夫婦関係について「円満」と回答したのは75・3%にのぼった。ただ、「生まれ変わっても、もう一度同じ相手と結婚したいか」との質問に対して、「結婚する」との回答が夫で49・1%にのぼったのに対し、妻は36・0%と13ポイントの差があり、同社は「現在の配偶者を『運命の人』と考えている妻は少なく、世の夫たちには少し寂しい結果」と分析している。
 また、配偶者に対する不満についても、「特にない」と回答した夫が45・7%と半数近くにのぼったのに対し、妻は24・0%だけ。婦間で大きなギャップが見られる。夫への不満トップ3は「気が利かない」「家事の協力をしない」「整理整頓ができない」。一方で妻への不満は「整理整頓ができない」「気が利かない」「体型が変わってきたところ」となった。
 さて、夫婦円満の秘訣は「よく会話をする」(69・6%)、「感謝の気持ちを忘れない」(57・3%)、「相手を尊重・信頼する」(54・2%)がトップ3。そして、配偶者から言われたい言葉は夫婦ともに「ありがとう」が1番。恥ずかしがらずに日ごろから感謝の気持ちを伝えることが夫婦円満の近道といえそうだ。

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2018年11月16日

大臣の資質

 「25歳の時から独立してやっている。そういうことは、常に従業員と秘書に指示していたので自分でパソコンを打つことはない」。
 政府のサイバーセキュリティー戦略本部副本部長で、今国会での成立を目指すサイバーセキュリティー基本法改正案を担当する桜田義孝五輪担当大臣(68)のこの発言。海外のニュースでも「日本のサイバーセキュリティー大臣はコンピューターを使っていない」とのタイトルで、「笑いだね」として取り上げられる始末となった。
 桜田大臣は当選7回の重鎮で、「実務型の人材を結集した」と安倍首相が説明した第4次安倍改造内閣で初入閣。ポジションとしては「軽量級」で他の大臣に比べると重要性は低いのだが、国会での答弁を聞く限り「適材適所」(安倍首相)とは言い難い。役人の用意した答弁書を棒読みすることもできず、ちぐはぐな答弁が目立つ。最後は「細かいことはよく分からない」などと答える始末。
 それ以上にお粗末な閣僚は就任から1カ月あまりに3度も政治資金収支報告書を訂正している片山さつき地方創生担当大臣(59)だろう。
 政治資金規正法は政治団体に対し、すべての収入や支出の額、5万円を超える寄付については団体名などを収支報告書に記載して届け出ることを義務づけている。政治家が特定の企業や団体から資金提供を受ければ公平性を疑われることから、資金の流れをオープンにする仕組みだ。献金によって公平であるべき政治が歪められないようにという抑止力ではあるが、その収支報告書がデタラメだったというのでは、お話にならない。
 そもそも閣僚の「政治とカネ」を野党やメディアが厳しくチェックするのは当然だ。閣僚入りを目指すのならば、あらかじめ過去の報告書を点検し、誤りがあるのなら訂正しておくのが、準備の一つであろう。
 元大蔵省主計官にもかかわらず、自身の資金管理も満足にできないようでは大臣の資質が問われよう。

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2018年11月14日

文化・芸術への支援

 石田節子議員「文化芸術は言うまでもなく、心豊かな生活や郷土への愛着など、魅力あるまちづくりや物づくりの重要な要素であります。これまで、それぞれの地域で築き上げられてきた特色ある歴史を簡単にやめてしまうことは、今後のまちづくりに向けての損失は大変大きいと考えます。文化を守ることは地域を守ることと言っても過言ではございません。地域に根づいた文化芸術をどう考えておられるのか、また支援の方策はないかをお尋ねをいたします」。
 企画部長「地域に根差した活動等を大切にするという観点から(中略)、必要な一定額の補助について検討してまいりたい」。
 藤井勇治市長「地域の皆さんの文化や芸術、今日までやってきたことを守り抜こうという地域の皆さんの市民力と申しますか、これに大変嬉しい思いをいたしました。(中略)しっかり頑張ってくれというエールをぜひ送りたいと思っています」。
 以上は2010年の市議会の一般質問でのやりとり。テーマは伊香美術展覧会への支援を巡るものだ。
 前身の「伊香郡美術展覧会」は1968年、伊香郡2町2村の教育関係者の発案で始まった。同年11月23日付の「夕刊滋賀」(現在の滋賀夕刊)の伊香版では「郡民の力作を一堂に」との見出しで、町村長会や議長会、教育委員会が後援していること、初めての郡展ということで力作が出揃っていること、入選者の氏名などを紹介していた。
 あれから50年。伊香郡4町の長浜市との合併に伴って主催団体や後援団体が消滅したことから、伝統を守ろうと立ち上がった地元有志が実行委員会を立ち上げ、展覧会の自力開催を続けてきたが、昨年が最後となった。
 市議会で取り上げられた市の支援は、事務局によるとわずか3年間で「打ち切り」となり、企業や個人の協賛金、作品の出品料だけでは経費を賄えなかった。実行委員会のメンバーの高齢化も課題だった。
 先達が築き地域に根付かせた芸術の灯を守るため、住民が手弁当で取り組む活動を誰がサポートするのか。地域の文化・芸術活動は美術展覧会に限らない。音楽、演劇、映画、文学など様々だ。こういった活動を支えるために手を差し伸べるのは市の役割ではないだろうか。もちろん補助金目当ての「負んぶに抱っこ」の団体は切り捨てていい。だが、郷土の文化・芸術振興のために汗を流す団体が困っているのならば、切り捨てるのではなく「頑張ってくれ」とエールを送る長浜市であってほしい。

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