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第4次安倍改造内閣

 第4次安倍改造内閣が2日発足した。麻生太郎副総理兼財務相、河野太郎外相、世耕弘成経済産業相らを留任させて、経済と外交の路線維持を図ったほか、総裁選で安倍首相を支持した派閥に配慮して12人を初入閣させた。総裁選で対立した石破派から山下貴司氏を法相に起用。女性閣僚は片山さつき・地方創生担当相のみだった。
 安倍首相は「実務型の人材を結集した」と説明するが、派閥の声に配慮して石破派からも起用した今回の改造は派閥均衡型と分析できるのではないか。初入閣12人の手腕は未知数ながら、内閣や党の重要ポストは安定感のある布陣。安倍首相がまずは派閥を含め党内をしっかり固めて悲願の憲法改正の道筋を付けたいという意欲があからさまに見えるが、今回の人事を各紙朝刊は社説でどう論じたのだろうか。
 朝日は総裁選で支持した派閥にポストで報いたと指摘し、「こんな内向きの人事では、政治や行政への信頼を取り戻し、難しい政策課題に取り組む足場を固めることなどできはしまい」と厳しい。女性閣僚が1人という点に、安倍政権が掲げる「女性活躍」が「看板倒れ」であると指摘し、金銭授受疑惑で2年前に閣僚を辞任した甘利明・元経済再生相を党の選対委員長として「復権」させたことも批判している。
 毎日も初入閣が12人にのぼることに、「安倍晋三首相の3選を支持した各派閥の意向を尊重した結果だ」とした。また、片山地方創生担当相について「貧困家庭の子どもを中傷するようなツイートをして物議を醸したことがある。参院外交防衛委員長のときには審議に遅刻して謝罪した」と人選を疑う。そのうえで、「長期的課題を担える布陣なのか」と疑問を呈した。
 読売は「要所に実力者を配した上で、入閣経験のない議員を積極的に登用した。安定感の確保と、党の活性化に腐心した布陣である」と好意的に評価した。そのうえで、「長期政権ゆえの緩みや驕りが目立つ中、内閣全体が緊張感を保ち、優先順位を付けて政策を遂行することが重要である」とし、「その努力を怠れば、内閣は直ちに失速することを、首相は肝に銘じるべきだ」と注文を付けた。
 産経は麻生財務相や河野外相らの留任を「妥当」としたうえで、財務省が決裁文書改ざんなどの不祥事を重ねたにもかかわらず留任となった麻生財務相、そして金銭授受疑惑で閣僚を辞任した過去のある甘利氏に対して「けじめ」や「説明責任」が求められるとした。そのうえで、「さらに必要なのが国民からの信頼を高める努力だ」と指摘し、今後、安倍政権が前のめりになる憲法改正などについて「国民に丁寧に説明し、対話を重ね、率直に協力を求める。謙虚な政治の姿をみたい」と国民目線の政治を求めた。
 日経は「政権の骨格である側近グループを留め置く一方、自民党の各派閥の要望を大幅に取り入れ、党内力学に目配りした布陣」と分析。ただし、「自民党総裁選の論功行賞、入閣待望組の滞貨一掃」という指摘を「そう的外れではない」とした。また、「有権者がみているのは、日ごろの暮らし向きを良くしてくれるかどうかだ。留任閣僚は財務、経済産業、経済再生といった経済分野が多い。改造内閣の声価を定めるのは結局は、この面々である」と、経済紙らしい締めくくり。
 朝日、毎日が安倍政権に批判的で、読売、産経が好意的というのは既定路線であり、この日の社説も脱線はない。日経は経済政策の成否が内閣の評価を決めるとして論評を避けた、というところだろう。

2018年10月03日 16:51 |


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