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総裁選終え改憲へ

 自民党総裁選は20日、国会議員票と党員・党友による地方票の開票があり、安倍晋三首相が石破茂元幹事長を破り、連続3選を決めた。
 安倍首相は国会議員票329票、地方票224票の計553票を集め、石破氏は国会議員票73票、地方票181票の計254票だった(国会議員票の無効票3票)。大方の予想通り安倍首相の圧勝となったが、石破氏も地方票の45%を獲得するなど善戦した。滋賀県の場合は安倍首相4056票、石破氏2991票、無効9票だった。
 安倍首相が国会議員票の82%を占めた一方で地方票は55%にとどまり、国会議員と党員の意識差が顕著に示された。安倍首相側が石破派に「冷や飯喰う覚悟を」と脅すなど信賞必罰の締め付けが行われた国会議員はこぞって安倍首相を応援したが、その点、何ら圧力のかからない党員・党友らは自由意志に基づいて投票できた。また、石破氏への「判官びいき」の心理も働いたとみられるが、この6年間に蓄積された安倍首相への批判や不満が党員から示されたと分析できよう。
 興味深かったのは「安倍憎し」から、石破氏を応援する野党が目立ったことだ。国民民主党の玉木雄一郎共同代表は「石破先生が活発な議論を展開してもらえれば、日本の政界が活性化するきっかけにもなるのではないか」、同じく、大塚耕平共同代表も「安倍政権が民主主義を劣化させている。石破氏には頑張っていただきたい」と、それぞれ石破氏を応援していた。他にも「オレは石破さん推しだ。理由は簡単だ。安倍首相のことが嫌いだからだ」などという発言が出るように、野党における石破氏の人気は大きかった。
 野党が石破氏を応援する背景には「安倍憎し」以外にも、安倍首相が意欲を示す憲法9条改正を石破氏が「スケジュール感ありきでやるものではない」と批判し、早期改正に消極姿勢を示している点にあろう。
 自民党は時代に即した憲法改正を党綱領に掲げ、2012年には9条2項(戦力の不保持)を削除し、国防軍を保持するとした草案をまとめている。安倍首相はその草案より後退して2項を維持したまま自衛隊を明記する案を提唱しているが、石破氏は一貫して2項削除を主張している人物。野党からすれば安倍氏以上の「タカ派」なわけだが、「安倍憎し」の前では石破氏でさえ頼もしく思ってしまうのかもしれない。
 安倍首相は総裁選後、さっそく9条に自衛隊を明記する改憲案を国会に提出する決意を示した。モリカケ問題を大きな反省材料として、今度こそ国民に丁寧に説明する姿勢と責任が求められる。

2018年09月21日 16:20 |


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