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素敵な年輪の重ね方

 「敬老の日」(17日)を前に、全国有料老人ホーム協会がシルバー川柳の入選作を発表した。「デイサービス『お迎えです』はやめてくれ」「ベンツから乗り換えたのは車椅子」「朝起きて調子いいから医者に行く」など、自らの老いを笑い飛ばすような句が楽しい。
 今年は「『インスタバエ』新種の蝿かと孫に問い」「Siriだけは何度聞いても怒らない」などデジタルにまつわる言葉や流行語を詠み込んだ句が目立った。長年連れ添った夫婦の関係を詠んだ句も多い。「仲いいねいいえ夫は杖代わり」「私だけ伴侶がいると妻嘆く」「お揃いの茶碗にされる俺と猫」などがそうだ。
 年を重ねるごとに肉体が衰え、病気がちにもなる。「古希を過ぎ鏡の中に母を見る」「うまかった何を食べたか忘れたが」「『もう止めた』検査ばかりで病気増え」「納得をするまで計る血圧計」など、老いを自虐的に詠むのはシルバー川柳の真骨頂だろう。
 このほかにも「『ご主人は?』『お盆に帰る』と詐欺に言い」「百年も生きりゃ貯金に先立たれ」「家事ヘルパー来られる前に掃除する」「無宗教今は全てが神頼み」「懐メロが新し過ぎて歌えない」などユーモラスな作品が並ぶ。
 このシルバー川柳は全国有料老人ホーム協会の設立20周年を記念して2001年に始まった。今年は7872点が5歳から105歳まで幅広い年代から寄せられたが、応募者の平均年齢は69・2歳。シルバー世代の心理や人生を巧みに表現し、それでいて老いをユーモアたっぷりに捉えて前向き。こんな余裕のある年輪の重ね方、いいね。

2018年09月15日 17:22 |


過去の時評


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