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停電への備え

 台風21号の直撃を受けた近畿地方。小屋が飛ばされたり、屋根の一部が損壊したり、窓ガラスが割れたりと、各地に被害をもたらした。その被害件数はカウントしようがないが、湖北地域でもあちこちで台風の爪痕が残っている。
 加えて、電柱の倒壊や送電線の切断などにより、幅広い地域で停電が発生し、市民生活を直撃した。関西電力によると近畿2府4県の219万軒が停電し、きょう7日正午現在でも13万軒あまりで停電が続いている。長浜市内でも約40軒、米原市内でも約10軒が停電したまま。
 電気がなければ企業活動も市民生活も大きな支障を来すことは予想されていることだが、実際に停電に見舞われると、現代の生活は電気がないと立ち行かないことを改めて実感できる。
 テレビ、冷蔵庫、洗濯機、照明、IH調理器具、エアコン、給湯など、家の中は電気がなければ使えないものだらけ。携帯電話やスマートフォンも充電できずに電池が切れれば何の役にも立たない。また、何時間も続く停電であれば、冷蔵庫の中身もだめになる。マンションではエレベーターが停まり、揚水ポンプが動かなければ水も出なくなる。
 さて、台風一過の安堵の後、今度は北海道が強震に襲われた。発電所が機能不全に陥り、北海道の広大な範囲で停電した。今回の関西電力の規模を超える295万軒が停電したという。全面復旧には1週間以上かかる見通しだ。救出、救援に支障をきたし、市民生活や経済活動にも大きな打撃となる。
 北海道電力によると管内電力の約半分を生産する苫東厚真火力発電所が地震の揺れを受けて緊急停止したことで、他の発電所も連鎖的に停止した。なぜ、たった1カ所の緊急停止が道内全域に停電を引き起こすことになったのか、その原因の検証と、今後の防止策の構築が求められようが、もし、これが都心で発生していれば、人命や経済にいったいどれほどのダメージを及ぼすのか、想像もできない。
 不思議なのは、これほどまでに経済活動や国民生活に欠かせないエネルギーである電気の蓄電技術が進歩していないことだ。一般家庭では発電所から送電線を伝って送られてくる電気をただ消費するだけで、蓄電することがない。例えば、各家庭に蓄電設備の常設が当たり前となり、仮に停電しても1週間は電気を使えるような仕組みができれば、停電による不便は解消できよう。
 蓄電池の技術革新が遅れているのか、それとも電気の特性から蓄電が難しいのかは不明だが、これだけ電気に頼った生活を送りながら、停電への備えや対策を発電・送電側が握っているのは何とも不安だ。
 台風や地震は日本に住む以上は避けられない自然災害であり、同時に停電もつきもの。各家庭ができる備えは何だろうか。

2018年09月07日 16:51 |


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