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2018年08月31日

きょうの宇宙の天気は?

 スマホ・アプリの普及で、気象予報を瞬時に確認できる便利な時代となった。小生の使っているアプリでは、雨雲の動きをリアルタイムで表示し、6時間先までの動きも予測してくれる。また、洗濯に適した天気か、傘を持ってゆく必要があるか、星空は見えるか、紫外線の量、熱中症の危険度なども数値化して表示。雨が降りそうになったら「雨雲接近」と、お節介ながらも通知してくれる。
 新聞やテレビの天気予報とは比べようもない便利さで、これも気象観測技術の進歩と、長年の蓄積データの解析がなせるわざであろう。
 天気予報はすっかり日常生活に欠かせないものとなっているが、実は宇宙にも天気があって、毎日、予報も行われているそうだ。国立研究開発法人「情報通信研究機構」の運営する宇宙天気予報センターが情報を発信している。たとえば8月30日の「概況・予報」は「太陽活動は静穏でした。引き続き今後1日間、太陽活動は静穏な状態が予想されます」「地磁気活動は静穏でした。引き続き今後数日間、地磁気活動は静穏な状態が予想されます」という具合で、このほか、「プロトン現象」「放射線帯電子」「電離圏嵐」「デリンジャー現象」など、おおよそ我々の日常生活とは関係なさそうな項目についても予報が示されている。
 宇宙の天気は、太陽の表面で発生する大規模爆発「フレア」によって左右される。いくつか用語を解説すると、プロトン現象はフレアによって加速された陽子が発生する現象で、人工衛星などの宇宙機の誤動作や故障を引き起こす。デリンジャー現象もフレアによって増大したX線や紫外線により、短波帯に通信障害が発生する現象。
 フレアによる被害は実際に発生している。1989年にはカナダで9時間にわたって停電が発生し、600万人が影響を受けた。2003年にはスウェーデンでも大規模な停電が起きた。昨年9月には通常の1000倍規模のフレアが発生し、人工衛星への影響や通信障害が危惧されたが、GPSにわずかな誤差が発生した程度で大きなトラブルには発展しなかった。
 人工衛星や電子機器が欠かせない今の人類にとって、大規模フレアは大きな脅威である。映画でも太陽フレアによって地球が大混乱、もしくは滅亡するストーリがいくつも作られている。そういうフィクションは別にして、太陽活動のメカニズムを分析して、宇宙天気予報の精度を上げることは、スマホなど通信技術の恩恵に浴している我々の日常生活に欠かせない。西の空を見て天気を占うなんて、今さらできそうにないから。

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2018年08月29日

注目の映画2本

 木之本町木之本出身の映画監督・上田慎一郎さんの新作「カメラを止めるな!」が大ヒットし、映画界の話題をさらっている。いよいよ今月31日からは彦根市のビバシティシネマでも上映が始まる。期待を裏切らない面白さで、興味のある方は是非、見に行って欲しい。
 低予算のインディーズ映画として制作された。監督や俳優を養成する「ENBUゼミナール」のプロジェクトの一環で、予算は約300万円、出演者は無名の俳優ばかり。当初は東京に2館での公開だったが、「面白い」などと評判となり、全国上映となった。
 なぜ、低予算のインディーズ映画がそこまで評判となったのか。それは映画の構成が非常にユニークだからだが、その詳細は「ネタばれ」に直結するため紹介できない。ただ、「カメラを止めるな!」というタイトルにあるように、この映画のメインテーマは「映画を撮ること」にあり、スクリーンを通じて、制作者の映画愛を感じとれる。
 「カメラを止めるな!」に加え、小生が今、注目している映画は絵本やアニメで人気を集めている「おさるのジョージ」の誕生秘話を描いたドキュメンタリーだ。
 「おさるのジョージ」は好奇心が豊かなあまり、騒動や冒険を巻き起こす子ザルの物語。ドキュメンタリー映画は、その作者であるドイツ生まれのユダヤ人、ハンス・レイ(1898〜1977年)、マーガレット・レイ(1906〜96年)夫妻の道のりを、当時の記録映像とアニメーションを重ねて描いている。
 夫妻は新婚旅行で訪れたパリを気に入り、そのままパリで絵を描いて暮らしていた。夫妻が最初に出版した絵本は「きりんのセシリーと9ひきのさるたち」。絵本に登場するサル「りこうでしりたがりやのジョージ」を主人公にしたのが「おさるのジョージ」(原作名は「ひとまねこざる」)だ。
 夫妻がその第1話「ひとまねこざるときいろいぼうし」を制作していた1940年、ナチスがフランスに侵攻。夫妻はナチスの迫害から逃れるため自転車でパリを逃げ出した。わずかな荷物の中に「ひとまねこざる」の原画も入れて。道中、農家に宿泊させてもらったり、食事をもらったりと人々の親切に支えられ、フランス中部の街オルレアンに到着した時、パリが陥落した。夫妻はその後、列車でポルトガルへ逃れ、最終的にアメリカに移り住んだ。戦後はニューヨークで作品を作り続けた。
 戦時下の逃避行について夫妻は悲観的にとらえることなく、「冒険に満ちた旅」と振り返っていたが、思いがけない困難に遭いながらも、前向きに乗り越える点は、その作風に通じるところがあるのかもしれない。
 映画「モンキービジネス おさるのジョージ著者の大冒険」は9月8日から京都シネマで公開される。また、京都・伊勢丹にある美術館「えき」では「おさるのジョージ展」を開催中。原画や夫妻の歩み、ドキュメンタリー映画が紹介されている。こちらは9月2日まで。

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2018年08月27日

自民党総裁選

 安倍晋三首相が26日、鹿児島県で自民党総裁選(9月7日)への立候補を正式に表明した。対立候補は6年前の総裁選で決選投票にもつれ込んだ石破茂元幹事長となる見込みだ。
 6年前の総裁選を振り返ると、当時は5人が立候補した。第1回投票では石破氏199票、安倍氏141票、石原伸晃氏96票、町村信孝氏34票、林芳正氏27票という順番だった。この時点で石破氏がトップに立っていたが、それを支えたのは党員票だった。石破氏は党員票だけで165票を獲得し、安倍氏の87票に大差をつけていた。
 しかし、国会議員票だけで争った決選投票で安倍氏108票、石破氏89票で、安倍氏に軍配があがった。
 3年前の総裁選は安倍氏への対抗馬がなく無風に終わった。
 そして、今回の総裁選。安倍首相がわざわざ鹿児島県で立候補を表明したのは、NHK大河ドラマ「西郷どん」にかけたのか、それとも地方重視の姿勢をアピールしたかったのか、きっとその両方なのだろう。6年前の総裁選で石破氏に負けた地方票でも圧倒したいとの決意の表れでもあろう。
 さて、日本の政治に、もし変革を求めようとすれば、総選挙による与野党逆転が必要となるが、今の「一強多弱」と呼ばれる状態では、政権交代など起こりようもない。ならば、与党のトップ、つまり自民党総裁を変えることで、政治変革を望みたいという声が出ても不思議でない。
 読売新聞が実施した直近の世論調査によると、次期総裁にふさわしい人は安倍氏42%、石破氏36%、野田氏10%だった。回答者の4割を占めた自民党支持層に限定すると、安倍氏72%、石破氏21%、野田氏4%となる。つまり、自民党支持層から圧倒的な支持を受ける安倍氏も、自民党支持層以外からは交代を求める声が小さくないことを示している。
 安倍首相は激変する国際情勢の中で、歴代首相に比べると外交・安保に積極的で安定感があると評価されている。ただ、内政に目を向けると、「アベノミクス」「地方創生」「女性活躍」「1億総活躍」「働き方改革」など国民に響きやすいキャッチフレーズを次々と躍らせているが、その成果には疑問符が付く。さらに、モリカケ問題をはじめとする各種疑惑や、国民の持つ疑問に対して、国会の場で真相が明らかになっていると考える国民も少数派だろう。
 安倍氏が再選すれば9年の長期政権が生まれる。その前に、総裁選で安倍政権6年間の総括が欠かせない。石破氏との論戦を通じて安倍氏に長期政権ゆえの驕りはないのか、追及されるべきだろう。

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2018年08月22日

障害者雇用の水増し

 国土交通省や総務省などの中央省庁が、障害者雇用促進法に基づいて雇用する障害者数を水増ししていた。その規模は数千人にのぼる見込み。障害者を雇用することにより自立的な生活を支援するための制度を、その先導役自らがごまかして運用していたのだから、その背信行為は大いに糾弾されるべきだろう。
 障害者雇用促進法は2018年度の法定雇用率を国や地方自治体2・5%、民間企業2・2%と定めている。民間企業の場合、法定雇用率を達成できないと、納付金が徴収されるなど事実上の罰則が設けられている。一方、国や自治体には罰則規定はない。
 障害者雇用に算入できるのは障害者手帳などの所持者か、医師による判定書などがある人と指針で定めているにもかかわらず、中央省庁では手帳を持っていなかったり、職員の申告をそのまま受け入れたりして障害者枠として計上し、水増ししていた。法定雇用率が制度化された1976年から行われていたというから、根の深い話である。
 中央省庁での水増し発覚を受けて、自治体もそれぞれ調査を行ったところ、これまでに都道府県では10県で同様の水増しが行われていたことが明らかになった。
 長浜市は大丈夫だろうか。市人事課によると、今年6月時点での障害者雇用は24人で、雇用率は2・52%。国の定める基準をクリアしている。障害者雇用枠での採用の際に障害者手帳の提出を義務付けているほか、障害者は税控除を受けられることから、その手続きのため障害者手帳をコピーしている。このため、水増しなどの不正は起こりようがないそうだ。
 さて、省庁での雇用が進まない背景について、省庁は「拘束時間が長く、突発的な仕事が多いため」などと説明している。ようは障害者には省庁の仕事は務まらないと差別しているわけだ。この差別的発想は、最近のニュースでも見た。東京医科大が受験生の入試の点数を操作して女子合格者を意図的に減らしていた問題だ。出産や育児で職場を離れる機会が多い女医を病院現場が敬遠していることを理由に、大学受験の時点で女性を差別していたものだった。
 制度の旗振り役である中央省庁が抱える根深い差別意識を改善するためには、国会による徹底な調査と追及が求められる。

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2018年08月17日

なぜ月を目指すのか

 「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」とニール・アームストロング氏が語ってから約半世紀が経過した。
 今、米航空宇宙局(NASA)は2020年代の完成を目指し、月軌道上の宇宙ステーションの建設を計画している。月面探査の拠点、火星への中継基地として運用し、ロシアや日本も参加する方針。そして宇宙航空研究開発機構(JAXA)は日本人の月面着陸も目指している。
 日本は国際宇宙ステーション(ISS)に物資を運ぶ無人補給機「こうのとり」の運用などで高い宇宙開発技術を持つ。こうした技術を生かして宇宙ステーションの運用に協力するわけだが、アポロ計画以来となる月面でのプロジェクトの一翼を日本が担うことは、日本の科学技術開発に大いに寄与するのではないかと期待する。
 49年前の人類初の月面着陸は、東西冷戦下、米国とソ連が国の威信をかけた宇宙開発競争を繰り広げた末に生まれた。ソ連のユーリイ・ガガーリンが世界初の有人宇宙飛行を成功させた後、米国が国民を鼓舞する宇宙計画を模索した結果でもあった。
 世界一の国力を持つ米国が軍事力と産業力を潤沢に投入して成功させたこのアポロ計画は、人類が初めて月面に着陸したという歴史的意義が極めて大きい。加えて、宇宙の軍事利用に拍車をかけることとなった。
 宇宙開発競争はソ連の経済を圧迫し、結果としてソ連崩壊の一因になったと指摘する分析もあるが、この崩壊を機に宇宙開発競争は下火になり、月面への有人機着陸を目指す理由もなくなった。経済性を考えると、莫大な費用に見合う効果が乏しいからだ。
 だが、人類は再び、月面への有人着陸に挑戦することとなった。その目的は月面探査や火星への有人飛行への準備だが、結局は人類の持つ探求心、冒険心がそうさせるのだろう。夜空を見上げた時、大きく浮かぶ月に、そこに到達できる技術があるのなら行ってみたいという憧れ。世界初のエベレスト登頂を目指したイギリスの登山家ジョージ・マロリー氏が「そこにエベレストがあるから」と語ったように。
 計画が順調に進めば2030年代には日本人の月面着陸が実現する。莫大な資金を投入して日本人がわざわざ参加する必要があるのかという指摘も出ようが、宇宙ステーション運用と月面プロジェクトへの参加が、日本の国民、特に子ども達に夢を与えるのであれば、大いに歓迎されるのではないだろうか。

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2018年08月08日

規範意識の鈍麻

 「重大な女性差別的な思考に基づくものといわざるを得ず、強く非難されるべき」「受験生に対する背信行為であると断罪せざるを得ない」—。東京医科大の不正入試問題を調べていた調査委員会が7日公表した報告書には、厳しい言葉が並んだ。
 不正入試問題は、東京医科大が文部科学省の「ブランディング事業」の支援対象校に選定されるべく、文科省科学技術・学術政策局長(当時)に便宜を図るよう依頼し、見返りとして、大学を受験した局長の子息の試験結果に不正に加点して合格させた事件に端を発する。
 大学側が法律事務所に調査委員会の設置と調査を依頼して不正追及に乗り出したところ、少なくとも2006年には医学部医学科の入試で、女子や3浪以上の男子の合格者数を抑える得点操作を繰り返していたことが明らかになった。
 局長の子息や同窓生関係者の子息など利害関係にある受験者への加点は、それぞれの実態に合わせて行われていたが、女子や浪人の得点操作は機械的に行われた。
 例えば18年度の一般入試では2次試験の小論文で次のような操作があった。
 まず、受験生を「現役男子」「1浪男子」「2浪男子」「3浪男子」「4浪男子」「女子」の5つの属性に分類する。そのうえで小論文の点数(100点満点)に0・8の係数を掛ける。この段階ではたとえ100点を取っていても最高点は80点となる。次にそれぞれの属性に応じて加点を行う。「現役男子」「1浪男子」「2浪男子」は20点、「3浪男子」は10点、「4浪男子」「女子」は0点。つまり、仮に100点満点をとったとしても「3浪男子」は90点、「4浪男子」「女子」は80点しか得られないことになる。
 報告書ではこの「悪しき伝統」について、「ただ女性だからという理由だけで不利な得点調整を行うことに関しては、もはや女性差別以外の何物でもない」「受験生に対する背信行為であると断罪せざるを得ない」と批判している。
 さて、この不正がまかり通った背景について、報告書は臼井正彦前理事長と鈴木衞前学長の2人の規範意識の「鈍麻」を挙げている。
 臼井前理事長は自身が入試委員会の委員だった1996年から長年にわたって入試の合否判定に関与している。様々な合格者の調整を行っているうちに、入試は公正・中立であるべきという規範意識を鈍らせた。合格者の調整の背景には同窓生から寄付金を多く集めたいという思いがあり、受験生の親から個人的に謝礼を受け取ることもあった(本人は否定)と指摘した。
 こうした不正が看過されてきたのは理事長と学長に権力が集中し、理事会が「物言えぬ」状態にあったためで、ようはガバナンス体制が作用しなかったからだ。組織の民主的機能が働かず、一部に権力が集中すれば、不正の温床となる。これは何も東京医科大に限った話ではない。

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2018年08月06日

男子のカブクワ愛

 最近、夜な夜な森に出かけている。真夜中の森に1人で入るというのは少し不気味さを感じるもので、幽霊の類を信じてはいないものの、自分の足で踏んだ枯れ枝が折れる音に驚いたりもする。また、風が木々を揺らせて音を立てると、誰かが囁いたり、唸ったりしているように聞こえることもある。それらの音にびくびくしながら懐中電灯の明かりを頼りに森の中をウロウロとさまようのは、もちろん昆虫採集のためだ。狙うのはカブトムシとクワガタムシ。
 男の子にとってカブクワ捕りは夏休み定番のイベントだった。しかし、子どもの頃は、昼間、自転車で移動できる範囲でしか虫捕りに出かけられず、満足した成果を出せなかった。一度だけ深夜までカブクワ捕りに夢中になったことがあったが、事前に家族に伝えなかったことから一緒に出掛けた友人の家族が警察に連絡してしまった。意気揚々と自宅に帰ったらパトカーが停まっていたという思い出がある。母親には怒られたが、父親は何も言わなかった。
 そんな不完全燃焼の虫捕りストレスを大人になった今、ようやく発散できるようになった。幸い自然に恵まれた湖北地域では、どこででもカブクワを捕れる。夜、クヌギの木に黒光りする物体を見つけ、胸を躍らせるその瞬間、童心に戻っているのだろう。
 一方、女性は虫嫌いが多い。インターネットの掲示板では、カブクワに対して「ゴキブリと変わらない」という指摘や、「ゴキブリはみんなに嫌われて、カブトムシは崇拝されているの、不公平だよね」なんて書き込みがあるほどだ。
 平安文学を代表する清少納言は「虫はすずむし、ひぐらし、てふ、まつむし、きりぎりす(コオロギのこと)」などと枕草子に綴った。ミノムシについても「いとあはれなり」と表現した。少なくない現代女性が虫を嫌っていることと比較すると、虫を「あはれ」と感じた平安女性の感性に敬服する。ただ、もし枕草子の作者が男性ならば、カブクワを登場させたのではないだろうか。スズムシなどの鳴き声よりも、カブクワの力強さと黒光りにロマンを感じるのが男子のマッチョ的思考なのだから。

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