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長浜市議選を終えて

 長浜市議選は22日投開票され、新議員26人の顔ぶれが決まった。猛暑の選挙戦に体調を崩す候補者もいたが、当選者は真っ黒に日焼けした顔に笑みをこぼした。4年間の任期のスタートラインに立つことを許された26人の皆さんには、選挙期間中に有権者と約束した公約を胸に、市民の信頼と期待に応える市議会議員として、その職責を果たして欲しい。
 トップ当選は公明党の鋒山紀子氏。同党はこれまで2人を立てていたが、今回は鋒山氏のみ。党支持票が集中した結果、圧勝となった。唯一の女性議員として、男性にはない目線での市政チェックを期待したい。
 2位の松本長治氏は上位当選の常連。有権者の少ない木之本町杉野地域を地盤としながらも、誠実な政治姿勢が地域を越えて有権者から評価されている。
 3位の現職・西邑定幸氏は旧びわ町の有権者が結束し、4位の新人・宮本鉄也氏も旧西浅井町が団結し押し上げた。5位は当選者唯一の30代の中川亮氏だった。6位は神田や西黒田など長浜南部地域が推した伊藤喜久雄氏。7位の矢守昭男氏は多くの現職が票を減らす中で前回より票を伸ばした。フットワーク軽く自治会の「御用聞き」などに徹して地域の声を伝えてきたこの4年間の地道な取り組みが評価された。
 さて、今回の選挙戦は盛り上がりに欠けた。連日の猛暑により選挙運動自体が低調で、有権者自身も投票所に足を運ぶのを敬遠した向きもあるが、最大の要因は立候補者の顔ぶれであろう。定数3人オーバーで選挙戦に突入したとはいえ、落選の3人はその得票数が物語るように、有力な地盤や支援者を持たず知名度も低かった。ゆえにある選挙通は「不思議な選挙だ。選挙をする前から結果が分かっている。魅力的な候補が少なく、わくわく感も、興味もない。これでは事実上の無投票だ」とぼやいていた。
 なぜ、立候補者が少ないのか。「議会自らが権威を貶めているから」との意見を聞くことがあった。議会が当局と馴れ合い、市長提案の議案を修正することなく原案のまま可決するその姿に、議会に対する権威や憧れを失わせている、という指摘だった。
 また、今回当選した26人のうち20人が60歳以上だった。長浜市の将来を見据えるなら30代、40代の現役世代が議会の場で活躍することが期待されるが、議員報酬の少なさから専業が難しい点も指摘される。長浜市議の報酬は年額600万円を割り込む。この報酬だけで日々の議員活動と自身の生活を賄うことは容易ではなく、かといって他の仕事と兼業するには平日昼の会議がネックとなる。結果として企業や役所の定年退職者や、自営業や会社役員など時間とお金に自由がきく人物でなければ立候補しにくいという側面を生んでいる。
 市議会が緊張感を持って市政をチェックするには市議選を通じた活発な議論や競争が欠かせない。今度の4年間の任期中には議員定数の在り方についても議論される予定だが、もし定数を減らすならば、代わって報酬についても議論したい。もちろん、そのためには議会自身が市民から信頼されるよう自らを改革する必要がある。まずは、議長を1年ごとに交代している悪弊の見直しからお願いしたいところだが。

2018年07月23日 12:53 |


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