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改正健康増進法

 受動喫煙対策を強化する改正健康増進法が18日成立し、2020年4月に全面施行される。多くの人が利用する施設は原則禁煙とし、罰則規定も設けている。
 焦点となっていた飲食店は▽既存店で客席面積が100平方㍍以下▽個人経営か資本金5000万円以下の中小企業が営む—という2つの条件を満たせば、店頭に「喫煙」などの標識を掲示して喫煙可にできる。
 当初の厚生労働省のたたき台では例外規定を「30平方㍍以下」としていたが、自民党の「たばこ議連」などの抵抗により緩和されることとなった。このため禁煙の規制対象となる飲食店は全体の約45%にとどまる見込み。
 この受動喫煙防止に向けた動きは、東京五輪の開催決定が契機。国際オリンピック委員会は「たばこのない五輪」を掲げており、喫煙文化に寛容な日本も、その重い腰を上げざるをえない状態だった。
 改正健康増進法により規制の対象となる飲食店では、すでに禁煙へと舵を切っているところもある。居酒屋チェーン「串カツ田中」は今年6月から国内192店舗のうち立ち飲み3店舗を除く176店舗で全面禁煙、13店舗でフロア分煙(階に応じて喫煙・禁煙を設定)とした(6月1日時点)。同店はもともと全店全席で喫煙可能だったが、子連れの家族をターゲットにした経営戦略との「違和感」を訴える意見が多く上がっていたという。また、今年4月に東京都の「子どもを受動喫煙から守る条例」が施行されたことも理由として挙げている。
 串カツ田中は禁煙の成果について、直営店86店舗のデータを集計し公開している。ファミリー客の増加で客数は2・2%伸びたが、客単価は5・0%落ち込むこととなった。客へのアンケートでは「安心して子どもを連れて来られる」「美味しく食べられる」と歓迎の声がある一方で、「串カツ屋で、居酒屋で、お酒を飲める場でたばこが吸えないなんてありえない」「ゆっくりできない」との批判もあった。
 従業員は「高校生の学校帰りの利用が増えた」「禁煙だからこそいらっしゃるお客様がいる」と禁煙化の取り組みをプラスに受け止めている。ただ、「喫煙所が近くにないので店頭での喫煙は地域とのトラブルになりかねない」「店頭や路上喫煙、ポイ捨てが多い」というマイナス面の声も。
 同社は「まだまだ禁煙化に対する認知度は低い」「禁煙化によって来店増加が見込める潜在層のターゲットも多く、これからの認知拡大で来客数はより増加していく可能性は大いにある」としている。
 外食産業では「ココス」「サイゼリヤ」「モスバーガー」などが全席禁煙の方針を決めており、禁煙の取り組みはますます加速していくこととなる。
 飲食店をはじめ屋内での禁煙はヨーロッパなどでは当たり前で、喫煙は屋外と決まっている。しかし、日本の場合、少なくない自治体が路上喫煙防止条例などを定めている。例えば、長浜市の場合は「さわやかで清潔なまちづくり条例」で観光客の多い市街地の商店街一帯を路上喫煙禁止区域に定め、市の指導や勧告、命令に従わない違反者には2万円以下の罰金が科せられる。
 店もダメ、路上もダメとなると、愛煙家は行き場を失う。改正健康増進法の施行に合わせて、既存条例の見直し、喫煙スペースの確保や誘導などが欠かせないのではないか。

2018年07月20日 16:35 |


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