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災害は必ず起こる

 西日本を襲った豪雨災害は12府県で死者162人、行方不明者57人を出す大惨事となっている。特に岡山県や愛媛県、広島県の被害が甚大で、街全体が湖に沈んだかのような映像に、牙をむいた自然の恐ろしさを感じた。
 現在、行方不明者の捜索と復旧作業が行われている。日常生活を取り戻すまでに相当の時間がかかることだろう。県内からも警察や消防が応援に入っているほか、義援金の募集など支援の輪も広がっている。被災地の復旧に向けて、被災者に寄り添った支援が求められる。
 今回の大雨では119地点で過去最多の雨量を更新し、災害は避けられない状態だった。日本は山ぎわにも川沿いにも多くの人が暮らす。常に土砂崩れや洪水のリスクと隣り合わせであり、災害に無縁ではいられない。また、河川氾濫や土砂崩れを防ぐため堤防や砂防ダムを築いているが、自然災害を人智で完全に防ぐことはできない。
 ゆえに、自然の猛威を侮らず、危険をいち早く察知して逃げることが大切になる。河川の氾濫や土砂崩れはどこでも起きうると想定して、気象台や自治体が発する情報に耳を傾ける必要がある。
 長浜市内でも年に1度は台風や大雨で姉川、高時川などの水位が上昇し、流域の住民に避難準備情報や避難勧告が出されるが、住民避難の動きは鈍いのが実情だ。先般の豪雨でも複数の地区に避難勧告が出たが、実際に避難したのはごく一部で、多くが静観した。
 歴史を振り返ると長浜も災害に無縁ではない。昭和34年の伊勢湾台風では姉川に架かる橋が流され、堤防を越えた濁流が川のように道路を流れた。昭和50年の台風では高時川の堤防から土砂が噴出し、堤防決壊の危機に見舞われた。
 幸いなことに近年は人命に関わるような大きな災害は発生していないが、先般の豪雨による土砂崩れで道路が寸断されたように、民家が土砂崩れに巻き込まれる可能性はゼロとは言えない。
 今回、気象庁は早くから大雨になることを警告していたが、どこでどのような災害が起きるのか、その未来を予測することはできない。自分や家族の命を守るのは、気象庁でも役所でもない。それぞれが、日ごろから自分の身は自分で守る意識を持ち、身近な地域でどのような災害が発生する可能性があるのか、自治体が発表している災害ハザードマップを参考に情報を集め、どのように避難するのか、考えていたい。

2018年07月11日 16:50 |


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