滋賀夕刊新聞社は滋賀県長浜を中心に政治、経済、文化の情報をお届けする新聞です。



生け垣の防災機能

 一、緑豊かな町を生け垣で守りましょう。
 二、お隣と会話のできる塀にしましょう。
 三、歩行者の安全を考えた塀にしましょう。
 四、子供の命を守る塀にしましょう。
 五、町並みの美しさを考えて塀をつくりましょう。
 「へいづくり憲章」を掲げる東京都国分寺市の高木町自治会は、1978年の宮城沖地震でブロック塀が倒壊し子どもが犠牲になった惨事を契機に、町内のブロック塀を見直して生け垣を推奨する防災の取り組みを始めた。
 阪神・淡路大震災では1472カ所でブロック塀が倒壊し、緊急車両の通行や救助活動の妨げとなった。2016年の熊本地震でもブロック塀が倒壊し、死者が発生している。
 そして、18日の大阪府北部を震源とする地震でも、ブロック塀が倒れ、登校中の小学4年生の女児と、子ども達の登校の見守り活動に向かう途中だった80歳の男性が亡くなった。
 女児を下敷きにしたブロック塀は建築基準法に適合していなかった可能性が高いことから、各教育委員会が子ども達の通学路や教育施設のブロック塀について緊急調査を行っている。長浜市教委も19日、各小中学校に対して通学路と学校施設周辺のブロック塀の点検を指示し、21日までに報告するよう求めた。また、保育園や幼稚園、認定子ども園にも園舎周辺のブロック塀を点検するよう指示を出した。
 ブロック塀は大きな地震が発生するたびにその危険性が指摘されているが、今回の地震では、建物の被害が少なかった影響で、ブロック塀の倒壊に特に注目が集まっている。
 さて、高木町自治会のある国分寺市では緑化推進と防災対策を目的に、市民が生け垣を整備する場合、延長1㍍あたり最大8000円を助成する補助金制度を設けている。長浜市を含む県内の自治体も同様の補助制度を設けているが、防災ではなく緑化の視点からのアプローチとなっている。
 生け垣は目隠しや風よけ、人や動物の侵入を防ぐことを目的に設けられるものだが、近年は地震に対する強さも注目されている。ブロック塀のように崩れる心配はなく、仮に倒れたとしても大事に至る可能性は低い。建築基準を満たさないブロック塀の総点検もさることながら、生け垣の防災機能に注目することも地震から得る教訓ではないだろうか。

2018年06月20日 17:36 |


過去の時評


しが彦根新聞
滋賀夕刊電子版
滋賀夕刊宅配版
滋賀夕刊デジタルトライアル
“新聞広告の資料請求、ご案内はこちらから"
 
長浜市
長浜市議会