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ツバメと人、誘う湖北

 小欄のツバメに関する記事をインターネットで読んだという札幌市内の男性(75)からメールを頂いた。
 男性はキタキツネやエゾシカも出没する山林に近い郊外に住み、多くの野鳥にも出会えるそうだ。「バードテーブル」と呼ばれる給餌台にエサを置くと、シジュウカラ、ゴジュウカラ、スズメ、ヤマガラ、ヒヨドリ、アカゲラが毎日やって来るという。
 「今、我が家の軒下の巣箱ではスズメが子育て中。ピーピーとかぼそくても元気のいい雛の声がしています。無事に巣立つのを楽しみにしています」とレポートしている。
 5月21日の小欄では「天敵を避けるために人の暮らしに密着してきたツバメにとって、人そのものが子育ての脅威になりつつある」と、ツバメが減少しているその一因を紹介した。男性は「札幌にはツバメはやってきません」としながらも、「自然の摂理の中で生息する野鳥を大切に見守りたい。そんな心のゆとりを私たちは持ちたいものです」と感想を綴っている。
 日に日に強くなる太陽の光を浴びて、生命が花開くこの時期。木々の緑はいよいよ深くなり、田んぼではオタマジャクシが元気に泳ぎ、夜は水路で蛍が飛び交っている。湖北地域の豊かな自然と生命の力強さを感じずにはいられない季節となった。
 そんな湖北地域で昨日から1泊2日の日程で千葉県船橋市の中学生が農家民泊を楽しんでいる。豊かな自然環境の中で農作業などを体験し、農家と交流する。その教育効果に学校関係者が注目し、「農村修学旅行」は今や人気のプログラムとなっている。
 県内の農村修学旅行の先進地は日野町だ。一般社団法人「近江日野交流ネットワーク」が宿泊や体験を受け入れる農家などを取りまとめ、「三方よし!近江日野田舎体験」と題して修学旅行生や一般の家族を受け入れている。9年前から農家民泊の取り組みを進め、これまでに2万4000人を受け入れてきた。
 テレビやスマホを通して「バーチャル」な情報ばかりに触れ、ともすれば「頭でっかち」な人間が増えているのではと危惧する今の社会において、体験や人との交流を通して五感を刺激する農家民泊が注目されるのは、当然なのかもしれない。
 日野町の農家民泊のうち、リピーターは7割を占めるそうだ。湖北地域での船橋市の中学生の農家民宿は3度目で、「離村式」では涙を見せる生徒もいるという。豊かな自然と受け入れ家庭の温かさはツバメだけでなく、都市部の人の心も誘うのだろうか。

2018年06月01日 17:25 |


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