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いつ終わる?モリカケ問題

 東アジアの安全保障が劇的に変化するかもしれない。北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長と中国の習近平・国家主席の会談、米国の国務長官の北朝鮮訪問、そして安倍晋三首相と、中国の李克強首相、韓国の文在寅大統領の日中韓首脳会談の日本開催。
 歴史的な米朝首脳会談が6月12日にシンガポールで行われる見通しとなって、周辺国は動き急。これまで米国や中国を翻弄しながら核開発を進めてきた北朝鮮だけに予断を許さない状況だが、朝鮮半島の緊張緩和は東アジアの安全保障に大きな影響を与えるだけに、拉致問題の解決も含めて、日本が米中韓と綿密な連携を図ることが欠かせない。
 ニュースの現場を9000㌔離れた中東に移せば、きょう14日、米国の在イスラエル大使館がテルアビブからエルサレムへと移転・開設する。エルサレムはイスラエルが首都と定める一方で、パレスチナ自治政府も将来の首都と位置付けている。中東和平の観点から、アメリカを含む国際社会はテルアビブを首都とみなして大使館などを置いてきた。しかし、今回、パレスチナや西欧諸国など国際社会の反対を押し切ってトランプ政権が大使館の移設に踏み切った。
 今、中東ではイスラム教シーア派の盟主・イランがシリア内戦などを契機にイラク、シリア、レバノンへと陸続きで影響力を高めることに成功している。レバノンとシリアに隣接するイスラエルにとっては、敵対するイランから喉元に刃を突き付けられる格好となり、両国の間で緊張が高まっている。
 もちろん、イランとイスラエルは表向き軍事衝突を望んではいないが、イスラエルの後ろ盾である米国のトランプ政権はイランとの核合意の破棄と経済制裁をちらつかせている。エルサレムへの大使館移設を含め、イスラエルへの過剰なまでの支援は、中東和平実現の足を引っ張ることになる。
 東アジアと中東の国際情勢、つまり安全保障が大きく変動しようとするさなか、まったく変わらないのが日本の政治。国会はまだモリカケ問題の真っ最中。振り返ると2017年2月からこの問題が国会で取り上げられている。モリカケ問題は森友学園への国有地の破格売却と、家計学園の獣医学部開設における政治家の口利きをめぐる疑惑で、今、国会で追及されているのは、加計学園獣医学部の開設をめぐって、首相官邸で首相秘書官が愛媛県職員と会ったか、会わなかったのか話。当事者の誰かが嘘を付いたり、記憶を消し去ったり、あるいは記憶を改ざんしているわけだが、これまでの問題追及で明らかになったように、官僚が行政文書の破棄や改ざんをやってのける訳だから、自分自身の記憶なんてどうにでもコントロールできるだろう。
 1年以上にわたってこの問題が国会で解決を見ず、国民の間にもモヤモヤした煙が晴れないのは、政府・与党に非があるのは言うまでもないが、野党もこのモリカケ問題を追及することでしか存在感を示せないのは課題であろう。おまけに、国会開会中にもかかわらず民進党と希望の党が統合して国民民主党を結成する始末。昨年の総選挙はいったい何だったのか。
 モリカケ問題にケリが付いたころには、日本が激変する国際情勢の中ですでに蚊帳の外に置かれていた、なんてことにならないことを願いたい。

2018年05月14日 16:38 |


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