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ざんねんな…

 全国の小学生が好きな本を投票で決める「こどもの本総選挙」の結果が先日発表され、動物学者・今泉忠明氏が監修する「ざんねんないきもの事典」(高橋書店)が1位に選ばれた。
 総選挙は児童図書を出版するポプラ社が創立70年記念事業として企画。「ともだちみんなで選ぶ最強の本決定戦!」と銘打ち、全国の小学生に「一番好きな本」を昨年11月から今年2月にかけ、インターネットで投票してもらった。12万8055人から2万0732タイトルが挙がった。
 1位の「ざんねんないきもの事典」は、「シマリスのしっぽは簡単に切れるが、再生しない」「ダチョウは脳みそが目玉より小さい」「ティラノサウルスは肉の食べ過ぎで病気になった」など、進化の過程で身につけたユニークな特徴を持つ100種以上の動物を紹介。子ども達の人気を呼んで続編も出版され、児童書としては異例の160万部を超えるベストセラーとなっている。
 このほかトップ10には「あるかしら書店」(2位、ポプラ社)、「おしりたんてい」(5位、同)などが選ばれたが、意外だったのは、1985年発刊の「ぼくらの七日間戦争」(KADOKAWA)が8位に入ったこと。宮沢りえさん主演で映画にもなった当時の人気図書が世代を超えて今の子ども達が親しんでいる点に、いつの時代も子どもが冒険的なイタズラを夢見ていることがうかがえる。
 さて、「ざんねんないきもの事典」の人気を受けて、「せつない動物図鑑」(ダイヤモンド社)など類似の図書も登場しているが、大人も楽しめそうなのが「ざんねんな日本史」(小学館)。「知らなきゃよかった」と思うような歴史人の裏話を、歴史作家の島崎晋氏が紹介している。「武田騎馬軍団はポニーに乗ってやってきた」「一休さんは飲酒に肉食、女犯の生臭坊主だった」「長谷川平蔵はインサイダー取引に手を出したことがある」「柳生十兵衛は隻眼ではなかった」「源頼朝は北条政子に生涯、頭が上がらなかった」など、歴史上の英雄たちの意外な側面を伝えている。
 歴史上の英雄も動物園の人気者も、欠点や失敗はある。そういう「ざんねん」な側面が、人間臭さや身近さを感じさせ、その魅力を膨らませている。

2018年05月09日 16:57 |


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