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銃犯罪と世論

 米カリフォルニア州にある動画共有サービス「ユーチューブ」の本社で3日、発砲事件があり、3人が負傷し、容疑者の女が死亡した。2月にはフロリダ州のパークランド高校でも元生徒が半自動小銃を乱射し、生徒14人、大人3人が死亡する事件が起きている。
 事件が起きるたびに銃規制を求める声が高まるが、効果的な規制は合衆国憲法とロビー団体、そして国民世論によって妨げられている。
 独立戦争から間もない1791に合衆国憲法に追加された条項「修正第2条」には「規律ある民兵は自由な国家の安全保障にとって必要であるから、国民が武器を保持する権利は侵してはならない」と記されている。この条項が国民の武装、つまり銃の所持を権利として認めている。
 米国最大のロビー団体である全米ライフル協会はこの条項を盾に銃規制に反対し、そのスローガンは「銃が人を殺すのではない。人が人を殺すのだ」。銃規制を求める世論が高まっても、政治家の動きが鈍いのは同協会の圧力によるそうだ。
 さらに、世論も銃規制の強化で一枚岩になれるわけではなさい。パークランド高校の事件後には銃規制を求めるデモが発生したものの、ワシントン・ポスト紙などが実施した世論調査では、全米規模での攻撃用銃器(半自動小銃など)の販売禁止を支持するのは回答者の50%にとどまり、46%が反対している。また、この事件を契機に、教師の銃携帯を求める意見が賛否を呼んでいるところだが、同紙の世論調査では、教師が銃を所持していればパークランド高校の事件は防げたとの回答が42%を占めた。
 独立戦争が終わって間もない時代の民兵を想定した条項に依拠し、銃所持を正当化する同国の憲法に時代錯誤を感じるが、国民が銃を手に取り戦争で独立を勝ち取った歴史を振り返ると、日本人には想像できないほど、銃への信仰があるのかもしれない。
 約3億丁もの銃が出回っている現実を考えると、銃を持つ犯罪者から自身や家族の身を守るには、やはり銃が必要という結論に達するのだろうか。不幸な現実ではあるが。

2018年04月04日 16:34 |


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