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富の寡占化

 米誌フォーブスが6日、今年で32回目となる「世界長者番付」を発表した。保有資産額世界1位はアマゾン・ドット・コム最高経営責任者(CEO)のジェフ・ベゾス氏。4年連続で首位だったマイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏を抜いて、初の首位に躍り出た。
 ベゾス氏の保有資産は1120億ドル(約11兆9000億円)にのぼり、この1年間で392億ドル(約4兆1600億円)もの資産を増やしている。これはアマゾンの株価上昇などの影響が大きいとされる。
 2位のゲイツ氏の保有資産は900億ドル(約9兆6000億円)。以下、3位は著名投資家のウォーレン・バフェット氏(840億ドル)、4位は仏高級ブランドのLVMHモエヘネシー・ルイヴィトン・グループ会長兼CEOの720億ドル、5位はフェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOの710億ドルだった。
 日本人ではソフトバンクの孫正義会長が227億ドルで39位、ファーストリテイリングの柳井正氏社長が195億ドルで55位だった。
 保有資産10億ドルを超える「ビリオネア」は過去最多の2208人にのぼっている。
 さて、ベゾス氏が首位に輝いたのは時代を映す鏡として好例だろう。アマゾン社はネットを通じた買い物を全世界にすっかり定着させた。書籍に始まり、日用品、食料など何でも買える。買えない物を探す方が難しいかもしれない。おまけに自宅に居ながら注文し、早ければ翌日に届く。消費者の利便性にとことんこだわったサービスがネット通販最大手へと育てあげた。
 ただ、アマゾンの寡占の影で、既存の流通網や店舗は大きな打撃を受け、破綻に追い込まれる例もある。我々がアマゾンで商品を購入しても、その利益がどれほど地域に循環するのかを考えると、手放しで歓迎できるものではなさそうだ。市場の寡占化がいずれ消費者に不利益をもたらすことは記すまでもないが、ビリオネアが過去最多にのぼったということは、富もまた一握りの成功者によって寡占化されている、と言えるのではないか。

2018年03月07日 17:04 |


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