滋賀夕刊新聞社は滋賀県長浜を中心に政治、経済、文化の情報をお届けする新聞です。



2018年03月20日

石破氏の指摘

 川島隆二県議の県政報告セミナー(11日、長浜ロイヤルホテル)で講演した自民党元幹事長の石破茂氏。良いのか悪いのか、市民感覚では良くわからない日本経済の現状や、進行中の人口減少について、出席者に分かりやすく解説していたので紹介したい。
 日本経済については、日銀の金融緩和による円安誘導で、輸出企業を中心に業績が伸びており、石破氏も「日銀が国債を買って円を安くし、企業の利益を上げ、有効求人倍率は高くなった」と紹介したうえで、「有効求人倍率が上がったら、給料が上がらないのはおかしい。何で上がらない?」と問題提起。「生産年齢(15歳以上65歳未満)から高齢者に、男性から女性に雇用が移っている」と原因を指摘した。人手不足を背景に、65歳を超えても働き続ける男性が増えたこと、女性がパートなどに勤めに出るようになったことから、「有効求人倍率が高くても給与が上がらない現象が起きている」と語り、「企業が儲かっても個人が豊かでないという現象」をいかに克服するのか。「日本経済はこれから先が正念場」と訴えていた。
 人口減少問題については、「約80年で人口は半分になる」と危機感を訴えた。人口減少の原因である未婚・晩婚化については、女性に負担が重なっていることに言及。女性の平均初婚年齢が29歳、第1子の平均出産年齢が30歳であることを紹介し、「女性の30歳は赤ちゃんが生まれたばかり。家庭でも職場でも地域でも責任は大きく、家族・親戚に要介護の方がいる可能性が高い。女性に3重の負担がかかって2人目、3人目というのは難しい」と語った。
 また、女性1人当たりが生涯に生む子どもの数を示す合計特殊出生率の全国平均は1・45で、最低は東京都の1・24。石破氏は「赤ちゃんが生まれる地方から、赤ちゃんが生まれない東京へ人がどんどん集まる。そういうことが重なり、人口が恐ろしく減る」と、東京一極集中も人口減少の遠因であることを指摘していた。
 そして「食料を作り、エネルギーを作り、出生率の高い地方が滅びて、食料を作らず、エネルギーを作らず、出生率最低の東京だけが残る。そんな日本はあり得ない」と断言する。だが、石破氏が指摘するように今後の日本は「恐ろしい勢い」で人口減少が進む。「そのことをよく認識しながら、これから日本を運営しなければならない」との指摘には、為政者も国民もよくよく耳を傾ける必要があるだろう。

| | トラックバック ( 0 )

2018年03月09日

震災から7年

 東日本大震災の発生から11日で丸7年を迎える。震災の死者は3月1日時点で1万5895人。行方不明者は2539人にのぼる。
 避難生活を続ける被災者は全国で約7万3000人。避難の長期化で故郷への帰還を諦める人も少なくない。
 東京電力福島第1原発事故で影響を受ける福島県の人口減少は深刻だ。震災前に202万人だった人口は187万人へと15万人減少している。除染が進んだことで、避難指示が解除された区域が増えているが、それでも住民の居住率が以前にように回復することはなく、1割を下回っている地域もある。
 また、双葉町や大熊町、浪江町など7市町村には放射線が高く立ち入りを制限する「帰還困難区域」が残っている。先祖代々受け継がれてきた土地を追われた住民は早く帰りたいと願うが、放射線がそれを許さない。政府は一部地域で5年後にも人が住めるようにする方針だが、帰還困難区域を全面解除できる目途は立っていない。
 手元に震災直後の「河北新報」(本社・仙台市)がある。3月12日朝刊は「宮城震度7大津波」の見出しで、津波で家屋が流される名取市の写真を大きく掲載。同日夕刊は「福島原発、放射性物質漏れ 8万人が避難開始」とある。13日朝刊は「福島第1建屋爆発」との大見出しで、半径20㌔に避難指示が出たことを伝えている。政府が放射性物質について「数値は想定内」とコメントしているのが、今になると空々しい。14日朝刊は「犠牲『万単位に』」「避難者、6県で45万人超」の見出し。以降は「核燃料一時完全露出」(15日朝)、「高濃度放射能漏出」(16日朝)、「福島第1冷却作業難航」(17日朝)など、刻々と変化する原発事故について伝えている。
 震災から1週間が経過した18日朝刊で「仙台港に救援物資」「仙台空港も利用再開」の見出しで、救援物資が本格的に届き始めたことを伝えている。
 あれから7年。道路や橋などのインフラ復旧は進んだが、福島第1原発事故の後始末の行方は見えない。政府と東電は廃炉に向けて、2021年から溶け落ちた燃料の取り出しを始め、30〜40年かけて廃炉を完了させる方針だが、果たして計画通りに進むのか。
 東日本大震災では、大津波も原発事故もすべてが「想定外」だったが、地震に限らず、豪雨による河川の氾濫や豪雪での交通機能の麻痺など、自然の力を前にしては人間の「想定」などあてにならない。

| | トラックバック ( 0 )

2018年03月07日

富の寡占化

 米誌フォーブスが6日、今年で32回目となる「世界長者番付」を発表した。保有資産額世界1位はアマゾン・ドット・コム最高経営責任者(CEO)のジェフ・ベゾス氏。4年連続で首位だったマイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏を抜いて、初の首位に躍り出た。
 ベゾス氏の保有資産は1120億ドル(約11兆9000億円)にのぼり、この1年間で392億ドル(約4兆1600億円)もの資産を増やしている。これはアマゾンの株価上昇などの影響が大きいとされる。
 2位のゲイツ氏の保有資産は900億ドル(約9兆6000億円)。以下、3位は著名投資家のウォーレン・バフェット氏(840億ドル)、4位は仏高級ブランドのLVMHモエヘネシー・ルイヴィトン・グループ会長兼CEOの720億ドル、5位はフェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOの710億ドルだった。
 日本人ではソフトバンクの孫正義会長が227億ドルで39位、ファーストリテイリングの柳井正氏社長が195億ドルで55位だった。
 保有資産10億ドルを超える「ビリオネア」は過去最多の2208人にのぼっている。
 さて、ベゾス氏が首位に輝いたのは時代を映す鏡として好例だろう。アマゾン社はネットを通じた買い物を全世界にすっかり定着させた。書籍に始まり、日用品、食料など何でも買える。買えない物を探す方が難しいかもしれない。おまけに自宅に居ながら注文し、早ければ翌日に届く。消費者の利便性にとことんこだわったサービスがネット通販最大手へと育てあげた。
 ただ、アマゾンの寡占の影で、既存の流通網や店舗は大きな打撃を受け、破綻に追い込まれる例もある。我々がアマゾンで商品を購入しても、その利益がどれほど地域に循環するのかを考えると、手放しで歓迎できるものではなさそうだ。市場の寡占化がいずれ消費者に不利益をもたらすことは記すまでもないが、ビリオネアが過去最多にのぼったということは、富もまた一握りの成功者によって寡占化されている、と言えるのではないか。

| | トラックバック ( 0 )

2018年03月05日

お見合い 洗濯コン

 2015年の国勢調査によると、生涯未婚率は男性23・4%、女性14・1%で、過去最高を更新した。こうした状況に本人以上に危機感を募らせているのが両親、特に母親で、「子どもだけには任せておけない」と自ら結婚相手を探している。
 そんな親の熱意に応える形で活動するのが、京都を拠点に、親による代理お見合いを全国展開している「一般社団法人良縁親の会」。旧湖北町出身の脇坂章司さんが立ち上げ、県北部でも何度か代理お見合いの場である結婚支援フォーラムを開催している。フォーラムでは、プロフィールなどを記した身上書を手に親同士が「お見合い」し、意気投合すれば身上書を交換。息子、娘の出会いにつなげる。
 今ほど未婚・晩婚化が課題とならなかった昭和は「お見合い」システムが機能し、近所の世話焼きおばさんや職場の上司の「お節介」が縁を結んだ。そのお節介を制度化して、今に生かしているのが福井県。独身男女を引き合わせるボランティアを「地域の縁結びさん」として登録し、結婚を希望する男女の出会いをサポートしている。お見合いのセッティングから交際中のアドバイスまで、いろいろと世話を焼いてくれる。その効果があってか、福井県の女性の生涯未婚率は全都道府県の中で最も低い8・66%となっている。
 ただ、親と子の世代では結婚に対する価値観が異なる。週刊誌「女性セブン」(2月22日号)に「結婚しないうちの娘はかわいそうなのか」との見出しで、未婚の娘を持つ母親の苦悩などを紹介した特集が掲載された。そのインタビューの中で、良縁親の会の脇坂さんがこう答えている。
 「今の女性は仕事にやりがいがあり、自分の生活レベルを落としてまで結婚しようと思いません。結婚をしたいけど仕事を続けることが条件だったり、相手にもそれなりの地位を求める。男性も同様に無理してまで結婚を求めてはいません」。
 ゆえに脇坂さんは結婚支援フォーラムへの参加者に、息子、娘と話し合って了解をもらってから出席するように呼び掛けているそうだ。
 親は親で子を心配していても、子は子でそれなりに婚活に勤しんでいる。昨今は県内でも婚活パーティーが盛んで、週末には年齢や趣味別にいくつも開かれている。おばさんや上司の「お節介」を穴埋めするようにパーティーは花盛りだ。
 また、最近は単に食事や会話を通して素敵な異性を見つけるだけでなく、一緒に料理を作るなど共同作業を楽しむタイプが増えている。東京では「お洗濯コン」なる男女の出会いイベントが開かれている。家事分担が夫婦円満の秘訣と言われていることから、一緒にセーターを手洗いすることで、相手の家事能力をチェックするそうだ。男女の出会いは、「お見合い」世代とは異なった価値観で広がっている。

| | トラックバック ( 0 )


しが彦根新聞
滋賀夕刊電子版
滋賀夕刊宅配版
滋賀夕刊デジタルトライアル
“新聞広告の資料請求、ご案内はこちらから"
 
長浜市
長浜市議会