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市長選を終えて

 長浜市政の継続・刷新を争点に行われた市長選(25日)は現職の藤井勇治氏が3選を果たした。対立候補の元市議・中川勇氏にダブルスコアの大差を付けての圧勝ではあるが、知名度、組織力からして藤井氏の勝利はほぼ約束されていた。
 藤井氏は全市的な後援会組織に加え、政党や企業・団体の推薦、市議の大半の支援を受け、盤石の陣を敷いた。子育て支援や財政健全化など2期8年の取り組みを分かりやすく訴え、国会議員や県議、市議、他市の市長らを演説会の弁士に招き、人脈の広さをアピール。有権者からは1市8町が合併して誕生した長浜市の舵取りを8年間担った実績が評価された。
 一方の中川氏は3期目を目指す現職を打ち破るには立候補表明があまりにも遅すぎた。ただ、病院の医師不足や赤字経営、JR長浜駅前の再開発など市政課題を浮き彫りとした。何より共感を集めていたのは「現市政に市民の声が届いていない」との指摘だった。藤井氏が選挙期間中に実績として訴えた小学校給食無償化や駅前再開発に、果たして市民や議会の声が反映されているのか、行政主導ではなかったか、と。
 中川氏の得票率は35%。投票した有権者の3人に1人が支持した格好。知名度も組織力もなく、選挙準備期間が短かったにもかかわらずだ。これをどう評価するのかは読者の皆さんに委ねたい。
 投票率は43・98%と低調だった。これは1964年の旧長浜市長選で記録した42・14%以来の低さだ。当時も有力候補の当選が予想され、選挙戦が盛り上がらなかった。今回の市長選も藤井氏の勝利がその知名度や組織力からあらかじめ予想され、有権者の投票意欲を削いだことや、当初、無投票ムードがあったことなどが低投票率の原因として分析できよう。
 有権者は2期8年の実績を掲げる藤井氏に今後4年間の市政を託した。病院事業の再建、長浜駅前をはじめとする中心市街地活性化など数々の課題はあるが、12万人市民を抱える基礎自治体として、今後の人口減少と地方交付税の縮減の中で、どのように市民サービスを維持するのか難しい市政運営が迫られる。人口減少に応じた施策の取捨選択は避けられないが、その折々で丁寧に市民の声を聞く必要があるだろう。藤井氏は25日の当選の弁で、130回の「座ぶとん会議」に触れて、「市民とのコミュニケーションを改めて大事だと痛感している」と語った。今後も引き続き、市民の声を吸い上げ、決して役所の理論と都合だけで事業を進めることがないよう注文したい。
 また、藤井市政の継続を支えた市議会議員も市政へのチェック機能をしっかりと働かせる必要がある。7月には市議会の改選が待っている。

2018年02月26日 16:22 |


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